研究課題/領域番号 |
05301040
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永ノ尾 信悟 東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (40140959)
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研究分担者 |
森 雅秀 高野山大学, 密教文化研究所, 講師 (90230078)
山下 博司 名古屋大学, 大学院国際開発研究所, 助教授 (20230427)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (00188335)
関根 康正 学習院女子短期大学, 人文学部, 教授 (40108197)
石井 溥 東京外国語大学, アジア. アフリカ言語文化研究所, 教授 (90014513)
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キーワード | ヒンドゥー教 / 儀礼 / プラーナ文献 / 地域性 / 文化変容 |
研究概要 |
1.Census of India,1961年の各州毎のVillage Survey Monographの各分冊の記述による年中儀礼一覧表に基づく分析を始める。Holi,Dipavali,Ganesacaturthi,Aksayatrtiyaなどの儀礼を取り出し、その分布の仕方、儀礼の方法、儀礼の背後にある神話などを分析し、インド全体における共通性及び、それぞれの地域の特性をより明確に示す。今の段階で明らかになりつつある主要な点は、例えばラージャスターン、アンドラプラデ-シュ、ケ-ララ、タミルナ-ドゥなどの諸州は更に三つの地域に区分していくことが出来、この区分はかっての藩王国の版土にほぼ相当し、現在の文化状況の基本形が中世以降の各藩王国の文化活動に基因していることが推測される。 2.年中儀礼の枠組みをなす儀礼形式としてのPujaの形成史、また特定の日と神格との結び付きの観念の形成史をさぐることにより、ヒンドゥー儀礼の源流を確定した。それによると双方とも紀元後5世紀頃の文献と思われるグリヒヤス-トラ補遺文献において組織的な記述伝承が始ったことがわかる。その後プラーナ文献を通じての変化は主として、Pujaに用いられる新たなマントラの作成と、日と神格の結び付きのゆれであるが、大筋においてはかなり忠実に伝承されていることがわかる。 3.プラーナ文献におけるかなり多くの年中儀礼のコレクションの分析を通じ、それらのコレクションのいくつかが複数の起源を持つコレクションの合成であることを、またいくつかのコレクションは全体的にまたは部分的に関連し合っていることがわかる。またそのコレクションに描かれる年中儀礼のコンビネーションから、例えばBhavisya Puranaの一部は北インドの現在の状況と、またGanesa Puranaは南インドの現状をよりよく対応していることがわかる。
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