研究課題
平成7年度は、前年度までの研究成果を、研究分担者・協力者各自が、それぞれの専門分野にそくしてまとめるという作業を行った。平成8年1月27・28日に熱海にて研究会を開催、まとめられた各々の成果について、さらに研究分担者・協力者全員が報告・討論を行った。研究会では、歴史学、国文学、宗教学、民俗学などの各研究者の専門的視点から『一遍聖絵』を検証し、各専門分野からの問題提起を相関させ、報告書作にむけての討論がなされた。当日、報告・討論がなされたのは、下記のとおりである。長島尚道「神戸真光寺の一遍上人の骨壺について」 伊藤博明「一遍と夢告」弓野瑞子「一遍晩年の遊行」 佐藤和彦「『一遍聖絵』を読む」 新村拓「病の図像表現」松井吉昭「『一遍聖絵』に見る神社参詣の諸相」 樋口州男「『一遍聖絵』と吉備津」脇田晴子「一遍聖絵・遊行上人縁起絵と被差別民」 西垣晴次「一遍と熊野」吉村稔子「聖戒本一遍上人絵伝の祖本について‐‐歓喜光寺本と御影堂本をめぐって‐‐」小野一之「国府をめざす他阿真教‐‐都市の中の時衆‐‐」 藤本正行「『一遍聖絵』に見える太刀」兵藤裕己「鎮魂と供犠‐‐琵琶語りのトポロジー‐‐」 武田佐知子「『一遍聖絵』に見る時衆の衣服」また、上記の研究会における報告のほかにも、研究分担者・松岡心平から「踊念仏の舞台空間」と題する研究成果が報告されている。前年度までに蒐集・コンピュータ入力処理が行われた絵画資料は、上記の諸研究において、『一遍聖絵』の諸本の校合を円滑に勧めるために用いられた。
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