研究課題/領域番号 |
05301042
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
速水 侑 東海大学, 文学部, 教授 (60055944)
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研究分担者 |
末木 文美士 東京大学, 文学部, 助教授 (90114511)
小原 仁 聖心女子大学, 文学部, 教授 (30001811)
永村 眞 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
木内 尭央 大正大学, 人間学部, 教授 (00054651)
大隅 和雄 東京女子大学, 文理学部, 教授 (20000573)
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キーワード | 院政柳 / 仏教教学 / 仏教教団 / 地方伝播 / 埋経 / 聖 / 勧進活動 |
研究概要 |
昨年度に引き続いて毎月研究会を開催し、(1)仏教数学とその実践、(2)中国仏教との交流、(3)寺院と僧侶集団、(4)仏教の布教と受容、(5)仏教文化の展開という5つの役割分担のもとで総合研究を進めてきた。(1)では真言・天台・南都の各教団内での仏教数学の発展、(2)では日本仏教内部での戒律への関心と中国禅宗の関係、(3)では聖の勧進活動や付法の問題、(4)では造仏・造寺・埋経などの史跡・遺物に関する問題、神祇信仰・陰陽道信仰と仏教信仰との関係、(5)では仏教が音楽・文学などへ与えた影響などが報告された。また、それぞれの領域にとどまらない相互の関係を示す発表(例えば院政期の仏教文化活動の中心に位置しながら寺院組織の問題にも深く関わり合う法親王の研究、経塚の遺構・遺物の分析から勧進聖の活動範囲をも復元する試みなど)がなされたり、日本仏教史における「古代」「中世」とはは何かという理論的な議論もなされた。 I「仏教教団の変質」、II「仏教と諸宗教・諸文化との関連」、III「仏教の地方伝播」という3つの研究テーマを総合的に検討していく素材を提供するために設けられたA僧伝研究とB実地調査の2つの作業も継続して行なわれた。Aについては、院政期の宗教・信仰を解明するにふさわしいサンプル(僧侶・信者)の抽出が行なわれただけでなく、これまであまり注目されていなかった僧侶の記録を追うことにより、勧進聖の活動範囲などを限定することが可能となった。Bについては、国東半島(太分県)・英彦山・求菩提山(福岡県)・出羽三山(山形県)・大山(神奈川県)・書写山など姫路加古川周辺(兵庫県)の仏教遺跡・遺物の調査を行なった。
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