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1994 年度 実績報告書

ヨーロッパにおける国民国家の生成と地域主義の台頭

研究課題

研究課題/領域番号 05301046
研究機関東京大学

研究代表者

木村 靖二  東京大学, 文学部, 教授 (20011306)

研究分担者 土屋 好古  日本大学, 文理学部, 講師 (70202182)
松浦 義弘  二松学舎大学, 文学部, 講師 (60229416)
石井 規衛  東京大学, 文学部, 教授 (20168173)
青木 康  立教大学, 文学部, 助教授 (10121451)
立石 博高  東京外国語大学, 外国語学部, 助教授 (00137027)
キーワード国民国家 / 地域主義 / エスニックグループ / 政治文化 / 文化統合
研究概要

本研究は、ヨーロッパの「近代化」推進の典型的な国民編成原理とされてきた「国民国家」に関して、各国内あるいは国家の枠組みを超える規模で展開する地域主義(regionalism)という視点を重視することにより、各国における国民国家生成とその変容を比較史的に分析・検討することを目的とした。本年度は、昨年度に引き続き先行研究文献の収集とその問題点の析出を行ない、各研究分担者それぞれが個々の関心テーマに基づいて研究を進め討議を行なった。その結果、各国ともそれぞれ異なる固有の歴史的要件を持ちながらも、19世紀後半から帝国主義時代に向かって、少なくとも外見上はきわめて「人工的」な国民国家形成が進行すること、すなわち、それぞれの国家では、他国に対するいわば防御的な国境の確定、国家ないしそれを指導する政治エリートからのナショナリズムの標榜といった能動的な働きかけなどによって、国民が国民国家という枠組みに統合されていくことが明らかとなった。しかし、各国の発展は紆余曲折をたどっており、その内部にさまざまな差異や矛盾が包摂され、単純な単線発達論的な視点からでは解明しえないことも明白である。さらには、近代化のスタートが遅かった南欧や東欧諸国のみならず国民国家のモデルケースといわれるようなドイツなどにおいても、必ずしも国家側かわの統合のための施策がうまくいかない事例も数多く見られることが指摘された。また、上からの抑圧をうけながら、サブカルチャーとしての地域主義の台頭や発展も多くみられることが確認された。いずれにせよ、近代化推進のためのモデルとしての「一にして不可分」たる国民国家という編制原理の有効性を今後とも検討していくことが必要であろう。なお各研究分担者は本研究でえられた知見を順次専門雑誌等に発表する予定である。

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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