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1995 年度 実績報告書

東北北部におけるいわゆる蝦夷館の研究

研究課題

研究課題/領域番号 05301048
研究機関福島大学

研究代表者

工藤 雅樹  福島大学, 行政社会学部, 教授 (30132004)

研究分担者 辻 秀人  東北学院大学, 文学部, 助教授 (30244966)
熊田 亮介  秋田大学, 教育学部, 教授 (50004081)
榎森 進  東北学院大学, 文学部, 教授 (10145972)
村越 潔  青森大学, 教授 (60003282)
甘粕 健  新潟大学, 人文学部, 教授 (90114991)
キーワード高地性集落 / 東北北部 / 平安時代 / 蝦夷
研究概要

平成七年度は岩手県岩手郡西根町寺田の暮坪山の山頂部に所在する暮坪山遺跡の発掘調査と岩手県北部を中心に高地に所在する集落遺跡の踏査を実施し、あわせて三年間にわたって行なってきた蝦夷館研究のまとめを行なった。
発掘調査を行なった暮坪遺跡は海抜430メートルの暮坪山の頂上一帯に広がる遺跡で、20個内外の竪穴住居跡がくぼみとなって観察できる。集落のまわりはけわしい斜面になっている。今回の調査ではそのうちの二基をえらんで発掘した。その結果、一辺が約六メートルほどの大形の住居と、一辺約三メートルほどの小形の住居の二つのタイプがあることが確認された。住居構造は壁際に石を組んだカマドのあるものである。また今回発掘した大形の住居は火災で焼失していた。また集落の主要部は堀と土手に囲まれていることも確認した。今回発掘した住居の年代は出土した土師器から考えて10世紀後半から11世紀前半ころのものである。以上のことから暮坪遺跡は防御に意を用いた平安時代後期の高地性集落であることが判明した。
なお実地踏査により、東北北部には暮坪遺跡以外にもまだ学界に知られていない多くの高地性集落が存在することも判明した。
そして三ヶ年にわたる「蝦夷館」ともいわれる遺跡の研究により、東北北部には平安時代後期に中心のある高地性集落があることが判明し、その研究を進めることは、古代蝦夷社会の性格など、学界未解決の問題にせまる有力な手がかりとなることがほぼ明らかとなったのである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 工藤雅樹: "北日本の平安時代環境集落・高地性集落" 考古学ジャーナル. 387. 2-3 (1995)

  • [文献書誌] 工藤雅樹: "子飼沢山遺跡発掘調査の概要" 考古学ジャーナル. 388. 32-36 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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