研究課題/領域番号 |
05301054
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 愛知淑徳大学 (1995) 名古屋大学 (1993-1994) |
研究代表者 |
山下 宏明 愛知淑徳大学, 文学部, 教授 (20023567)
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研究分担者 |
今井 正之助 愛知教育大学, 助教授 (70112365)
鈴木 高庸 新潟大学, 人文学部, 教授 (90143742)
松尾 葦江 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (70157254)
村上 学 名古屋大学, 文学部, 教授 (20088800)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | 平家物語 / 諸本 / 琵琶法師 / 八坂系 / マニュアル / 書誌データ / 混態 / とりあわせ |
研究概要 |
古典のなかで、もっとも多様なテクストを伝える『平家物語』。その諸本のうち、もともと琵琶法師の語りがかかわったと思われるのが、語り系の諸本である。大きく一方系と八坂系とに分かれるが、とくに後者の八坂系については研究成果もとぼしい。今回の共同研究においては、その後者について、従来の五分類説に従いつつ、可能なかぎりの再調査による分類の確認と補足を行なった。その作業のなかで、未紹介の本に出会うことも多く、その際に分類の基準そのものの再検討に迫られることがしばしばであった。かくて分類のための基準としてのマニュアルの作成が中心的な課題となった。 今回の3年間にわたる調査の結果、今後新しい資料にめぐりあった際の、分類判定のための基準は、ほぼ完全なものが完成したと言ってよいだろう。調査の結果を今後の研究に活かすために、可能なかぎり完璧な書誌データの集積をも行いえたものと思う。 時間と労力の都合で、今回は五類のうち、これまで八坂系の主流を形成するとされた第一類と第二類の調査に重点をおかざるをえなかったけれども、その過程で他系統や、八坂系内部で、複数系統にわたる相互の間での混態やとりあわせの多いことも明らかになった。今後、こうした現象の意味を考察しなければならないし、ひいては〈八坂〉系なるものの意味、琵琶法師の語りの関与のありかたをも再考する必要のあることが明らかになった。別に提出する研究報告集にその成果と見通しを各担当者が報告している。付記される研究史展望も、このような課題から、今後の研究のための有効な整理を施してある。
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