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1994 年度 実績報告書

琉球方言地図の作成と比較歴史方言学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 05301061
研究機関琉球大学

研究代表者

上村 幸雄  琉球大学, 法文学部, 教授 (50000401)

研究分担者 狩俣 繁久  琉球大学, 法文学部, 助教授 (50224712)
高良 富夫  琉球大学, 工学部, 助教授 (70163326)
名嘉 順一  琉球大学, 教育学部, 助教授 (10253931)
加治工 真一  沖縄県立芸術大学, 教授 (10106586)
屋比久 浩  琉球大学, 法文学部, 教授 (50044821)
キーワード琉球方言 / 言語地理学 / 比較方言学 / 長崎方言 / 壱岐方言 / 対馬の方言 / 五島列島の方言 / 閉音節
研究概要

昨年度にひきつづき、本年度は次の事業をおこなった。
(1)琉球方言が古い時代に分岐した方言の源と判断される九州方言、その中でも古層を多く保存していると判断される西南九州の僻地離島の方言のうち、昨年度の鹿児島県下の調査にひきつづき、本年度は、長崎県の僻地・離島、すなわち壱岐、対馬、五島列島、島原、および熊本県天草の方言を、琉球列島諸方言について実施した調査票を用いた調査をあわせておこなった。ほか、文法的特徴の概要を知るための、様々な表現をふくむ文の調査票を用いて調査した。これによって動詞のボイス・テンス・アスペクト・ム-ド、敬語表現などをはじめとする形態論、構文論における主要な特徴の琉球方言と九州方言との比較が可能になった。また、昨年調査した薩南諸方言に特徴的にみられるCVC構造の音節が五島列島の諸方言と天草の方言にもみられ、西南九州の歴史的な繋がりと琉球方言との繋がりが確認された。琉球方言中の奄美大島南部方言、宮古島方言にみられるCVC構造の音節の音声についての比較をおこなった結果、閉音節構造生成については琉球方言、薩南方言のいずれも呼気の流量が関与していること、薩南方言の閉音節構造の生成過程に鹿児島市内を中心にする方言のグループと川内市街のグループがあることが分かった。
また、昨年度の調査でこれまで琉球方言に固有と思われていた、基礎語彙でない単語のいくつかのものが薩南諸方言と共通のものであることもあきらかになったが、今年度の調査で壱岐、対馬にも同様のことが確認され、調査の範囲を九州全域に広げるべきだという意見が出た。
(2)言語地図作成方法の開発については、当初予定した計算機よりも高性能のものを購入できたので、より高速の処理が可能になったが、琉球方言地図作成のためのソフトの開発は予定していたよりもおくれている。いちばんの問題点は、多量の音声記号のデータ処理と約1000kmに及ぶ広範囲の地域の地図の作成方法についてであるが、その他に、狭い地域に地点の集中する沖縄中南部地域のデータ表示方法と記号のカラー化の問題があり、その解決にはまだ時間がかかりそうである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 上村幸雄: "琉球列島諸方言の研究、現状と問題点" 沖縄文化の源流を探る-環太平洋地域の中の沖縄-. 501-522 (1994)

  • [文献書誌] 加治工真一: "国語音韻史における琉球方言の位置" 沖縄文化の源流を探る-環太平洋地域の中の沖縄-. 265-272 (1994)

  • [文献書誌] 高良富夫(共著): "琉球列島言語地図作成システムの試作" 沖縄言語研究センター資料. No.118. 1-6 (1994)

  • [文献書誌] 上村幸雄: "音声研究と琉球方言学" 沖縄言語研究センター資料. No.119. 1-21 (1995)

  • [文献書誌] 狩俣繁久: "鹿児島県大島郡瀬戸内町諸鈍方言のフォネ-ムについて" 琉球大学法文学部人文学科紀要『日本東洋文化論集』. 創刊号. 1-24 (1995)

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公開日: 1996-04-08   更新日: 2016-04-21  

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