研究課題/領域番号 |
05301062
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉浦 一孝 名古屋大学, 法学部, 教授 (40154463)
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研究分担者 |
新美 治一 福島大学, 行政社会学部, 教授 (20022428)
早川 弘道 早稲田大学, 法学部, 教授 (20063802)
上野 達彦 三重大学, 人文学部, 教授 (40115689)
小森田 秋夫 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30103906)
大江 泰一郎 静岡大学, 人文学部, 教授 (00097221)
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キーワード | 脱社会主義 / ロシア / ペレストロイカ / 法システム / ソ連崩壊 |
研究概要 |
本研究は、脱社会主義化=再資本主義化への道を歩みはじめた旧ソ連においてこれまで社会主義法類型のひとつとして把握されてきたソビエト法のシステムがどのように再編されていくのかを検討することを課題としている。そのため、本年度は、まずこの前提作業としてペレストロイカのもとでおこなわれた憲法および法律の改正、新法の制定を分析するために全体の研究会を二回開催し、研究分担者からの各法領域における問題状況について報告してもらい、それをもとに討議をおこなった。 ロシア連邦においては、議会と大統領府との対立をへて、1993年9月から10月にかけての後者による前者の強権的解散、12月の新議会選挙の実施と新憲法の制定と政治状況が急展開してきた。しかし、新議会の構成を考えれば、新たに制定、公布された憲法のもとでも大統領府と議会とのあつれきが予想され、安定した政治秩序の到来は望むべくもなく、それは法制度の整備、実施過程にも当然影響をおよぼすものと思われる。 経済制度に限らず、こうして政治状況が安定を欠く中で、法制度を独自に検討していくことには困難が伴うが、当初たてた研究計画を遂行するうえでは、各法領域を研究する分担者による個別研究を全体で討議する作業は、総合的な研究のため視座をえることができる点で有意義であった。 そのため今後もこのような作業をおこないつつ、そこから得た共通の理解の上に立って、各領域での法律がいかに再編されるのかを比較法的視点から位置づけていくこととしたい。
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