研究課題
本年度は、3年計画の初年度として、各自が持っている研究計画の調整を行った。とくに専門分野を異にする研究者が集まったこの学際的な研究会では、まずお互いの持っているものをぶつけ合って、そこからどのような斬新な視角が出てくるのか、ブレーンストーミングが不可欠である。研究会を重ねた結果、ミクロな契約過程の分析を行うグループと、もう少し大づかみに、現代の契約実態をアンケート調査も含め概括的に把握するグループとの二つの研究方向をとることがほぼ合意できた。また法理論の側面では、アメリカの契約法の改正作業を少し細かくフォローして、どのように契約法が、現代の商取引の現状に適応しようとしているのか検討を進めてきた。他面、アメリカでは、関係的契約理論のように、これまでの近代法の枠の中では整理しきれない理論も登場しており、これをどう評価するか、まだ結論は出ないが、検討をしてきた。年度末には、大学院の学生に手伝ってもらって、契約に対する一般人の意識、および企業の契約慣行について予備的な調査を行った。その分析はまだ始まったばかりであり、翌年度の課題である。さらに、企業の法務担当者、弁護士からも事情聴取を行った。
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