世界平和貢献策の憲法学的・学際的研究

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05301064
• 研究機関: 北星学園大学
• 研究代表者: 深瀬 忠一 北星学園大学, 経済学部, 教授 (60000650)
• 研究分担者: 黒澤 満 大阪大学, 法学部, 教授 (10111709) ; 功刀 達郎 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (00225179) ; 武者公路 公秀 明治学院大学, 国際学部, 教授 (80053536) ; 樋口 陽一 東京大学, 法学部, 教授 (60004149) ; 杉原 泰雄 一橋大学, 法学部, 教授 (60017572)
• キーワード: 世界平和貢献策 / 憲法文明 / 戦争放棄 / 国連改造 / 軍縮 / 平和的生存権 / 非軍事的協力 / 紛争の平和的解決

研究概要

1.日本国憲法の平和原則を指針とする世界平和貢献策の憲法学的・学際的研究を、本格的に、
(1)総論として、21世紀に向かっての世界平和の新しい憲法文明のあり方、
(2)各論として、【.encircled1.】国連の実体と世界平和の中心機構としてあるべき改造と協力の仕方、【.encircled2.】核・通常軍縮の促進とわが国の軍事化の現実の平和憲法的改編、【.encircled3.】および全世界の国民が恐怖と欠乏から免れた平和的生存権をひとしく尊重されるような世界的秩序の創造への寄与の仕方について、
全面にわたり体系的かつ多角的な報告・討議を実施した結果、多くの重要な新しい知見を獲得し、憲法理論的に掘下げて考察し、基本的方向性を見定め、具体的構想における収斂をみうるようになったことが、第1年度の成果である。
2.研究計画どおり全予定(3度の総会、2度の分科会等)を円滑・活発・充実した仕方で実施した方法・経験を活かし、第2年度はさらに密度の濃い共同研究の推進により、上記の総論・各論(国連・軍縮・平和的生存権の3本柱)の構成にしたがい、35の明確化した具体的テーマを各分担者・協力者(計35名)が担当して研究をすすめ、かつ全国的な大学生の意識調査を実施して検討を加える。そして、世界平和貢献指針の基本線を明らかにし、各テーマの具体策のしぼりと掘下げをおこない、相互の調和的協力による全体として大きく力強い高次総合を達成する基盤ができた。

研究成果

• [文献書誌] 深瀬忠一: "憲法学からみた「平和基本法」(上)" 世界 1993年7月号. 584号. 39-47 (1993)
• [文献書誌] 深瀬忠一: "憲法学からみた「平和基本法」(中)" 世界 1994年3月号. 592号. 237-248 (1994)
• [文献書誌] 深瀬忠一: "憲法学からみた「平和基本法」(下)" 世界 1994年5月号. 594号(近刊). (1994)
• [文献書誌] 深瀬忠一: "憲法の軍縮平和主義について。" 軍縮 1993年5月号. 150号. 45-52 (1993)
• [文献書誌] 深瀬忠一: "護憲・創造的立法のすすめ" 軍縮 1993年8月号. 153号. 62-68 (1993)
• [文献書誌] 杉原泰雄: "第9条が必要な世界とアジア" 軍縮 1994年1月号. 158号. 9,14 (1994)
• [文献書誌] 樋口陽一: "戦争放棄" 講座・憲法学II(評論社刊1994年所収). (近刊). (1994)
• [文献書誌] 武者小路公秀: "民族紛争と国連の役割" 軍縮 1993年12月号. 157号. 4-7 (1993)
• [文献書誌] 上田勝美: "侵略戦争に抵抗した斎藤隆夫" 田畑 忍編「近代日本の平和思想」. 150-154 (1993)
• [文献書誌] 太田一男: "内村鑑三の継承者矢内原忠雄" 田畑 忍編「近代日本の平和思想」. 169-173 (1993)
• [文献書誌] 古川 純: "戦争と平和(岩波市民大学・人間の歴史を考える13巻)" 岩波書店, 264 (1993)
• [文献書誌] 樋口陽一: "講座・憲法学II主権と国際社会" 日本評論社 (近刊), 300 (1994)
• [文献書誌] 功刀達郎: "国連強化に関する東京会議-平和と環境-" 国際協力研究会, 68 (1993)
• [文献書誌] 森 英樹: "これがPKOだ-憲法と国際協力を考える-" 岩波書店, 210 (1993)
• [文献書誌] 古川 純: "日本国憲法の基本原理" 学陽気書房, 333 (1993)