研究課題/領域番号 |
05301082
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
片山 伍一 九州産業大学, 商学部, 教授 (80037100)
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研究分担者 |
池上 恭子 熊本学園大学, 商学部, 専任講師 (60253390)
市村 誠 中央大学, 商学部, 助教授 (70245984)
浦野 倫平 九州産業大学, 経営学部, 助教授 (10232919)
杉野 博貴 九州国際大学, 国際商学部, 助教授 (00206418)
牟田 正人 九州産業大学, 商学部, 助教授 (20219851)
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キーワード | 財務戦略 / 株式上場 / デリバティブ / 資本組入制度 / M&A / 資本構成 / 企業年金制度 / エージェンシー理論 |
研究概要 |
今年度は、研究成果の発表に向け計17回の研究会を開催した。そこで明らかにされたことは、(1)従来「資本調達のための重要な一手段」ないし「株式会社本来の資本調達手段」として把握されていた株式の上場ならびに新株の発行が、実態をみると、上場ないし店頭登録された後も新株発行を行わない会社がある等、必ずしも理論通りの「資本調達手段」とはなっていないケースがあること、(2)国際的なデリバティブの普及・展開に伴い、本来リスク・ヘッジのための手段であったデリバティブが、リスク・テイク=ハイリスク・ハイリターンの手段と化していること、(3)我が国商法の諸改正に伴い、本来企業の財務内容を明確に表示すべき貸借対照表の資本の部が曖昧にされるとともに、経済的に異なる概念である「資本組み入れ」と「株式分割」とが現象面での相似から同一の概念のもとに総括されていること、(4)英国に特殊的なM&Aの展開は、大企業ではなくむしろ中小企業のそれであり、なおかつシティーの支配下におけるものであること、また特殊な株式が多用されていること、(5)米国におけるM&AGリストラクチャリングの視点からとらえ直せば一定の成果を上げていると評価できること、等である。 以上のような現象面での現代経営財務の諸特徴についての概括が行われ、各自が論考を重ね研究発表に向けた準備を続けた。しかしながら、次年度の理論的再構築を視野に入れた場合、研究レベルの平準化を図ることが肝要であるとの判断から、研究成果の総括的な発表は平成7年7〜9月頃になる予定である。
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