研究課題/領域番号 |
05301082
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
牟田 正人 九州産業大学, 商学部, 助教授 (20219851)
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研究分担者 |
池上 恭子 熊本学園大学, 商学部, 専任講師 (60253390)
市村 誠 中央大学, 商学部, 助教授 (70245984)
浦野 倫平 九州産業大学, 経営学部, 助教授 (10232919)
杉野 博貴 九州国際大学, 国際商学部, 助教授 (00206418)
丑山 優 九州大学, 経済学部, 教授 (40108626)
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キーワード | 経営財務 / 財務戦略 / 国際企業財務 / 企業年金 / 会計政策と企業財務 / M&A / 企業税務政策 / 日米欧比較研究 |
研究概要 |
平成7年度は研究の最終年度に当たるため、研究成果の公刊にむけ、精力的に取り組んだ。具体的には、中央経済社より『現代経営財務』という図書を公刊することになる。本年度の研究の結果明らかにされたのは以下の諸点である。(1)スワップ等のデリバティブの有効性とその限界点を明らかにした。(2)企業年金制度に関しては、米国における現行制度の問題点とそのわが国の企業年金制度との関連を明らかにした。(3)財務政策に関しては、従来から主張されてきた「経済合理性」が表面的には必ずしも貫徹していないことを明らかにした。(3)企業会計政策に関しては、自社株式取得の緩和との関連において、企業の法制面との財務的側面との乖離を明らかにした。(4)イギリスにおけるM&Aに関しては、投機的側面よりは産業再編の狙いが明白であること、および中小規模の企業におけるそれが多いことからもこのことが実証されていることを明らかにした。(5)企業と金融機関との関係については、いわゆる「バブル経済」下における企業の銀行離れとその行動原理を明らかにした。(6)企業の税務会計政策に関しては、主として米国について、破産法適用の申請による企業再建がわが国におけるよりも簡便かつ経済合理的に行われていることを明らかにした。総括的な理論構築については、(1)研究対象期間が1980年代であるため、自由化・国際化が各国において進展したことを考慮すると、必ずしも普遍的な理論構築には至らなかったこと、(2)1990年代の自由化・国際化の進展が予想を越えて急速に進んだことから、今後の経営財務実務の展開を展望するには至らなかったことが反省点として挙げられる。
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