• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1994 年度 実績報告書

社会理論と地理学-その思想史的考察-

研究課題

研究課題/領域番号 05301091
研究機関九州大学

研究代表者

野澤 秀樹  九州大学, 文学部, 教授 (00036998)

研究分担者 栗原 尚子  お茶ノ水女子大学, 文教育学部, 助教授 (80017623)
源 昌久  淑徳大学, 社会福祉学部, 講師 (80104826)
久武 哲也  甲南大学, 文学部, 教授 (70108968)
山野 正彦  大阪市立大学, 文学部, 教授 (20094493)
竹内 啓一  駒沢大学, 文学部, 教授 (00017617)
キーワード社会理論 / 地理的知識 / 社会空間 / 景観 / 空間表象 / エイジェンシー
研究概要

1.社会諸理論とそれらが成立した歴史的・地理的現実との関連に関して、次の3つの研究が得られ、特に近代日本の形成に際して地理的知識や空間をめぐる問題設定が果たした役割についてより具体的な知識が獲得された。
(1)日本における「国民国家」の形成に広義での地理的な知識がいかなる役割を果たしたのかが解明された。
(2)明治期日本の茶業の近代化に中央の官僚が果たした役割および地方で技術革新が受容される過程でその主体となったのは誰か、またどのような問題が生じたのかが議論された。
(3)急性伝染病などの衛生問題が明治期の人々にどのように認識され、また都市空間の再編成や人々の社会生活にいかなるインパクトを与えたのかが検討された。
2.地理学と社会諸理論との関係に関しては、次の2つの研究が得られた。
(1)デュルケームのなかで従来明らかにされていなかった「社会空間」理論の現代的意義が議論された。
(2)フランス地理学の歴史的展開に関してパンシュメル教授(パリ第一大学)から講演を受け、新たな知見を得た。
3.理論の導入に際して生じる「翻訳」の問題に関しては、次の2つの研究が得られた。
(1)北米先住民の地図とそれをもとにして作製された西洋的地図を比較することで、地図情報がいかに末梢・改変され、別の概念装置に変換されていったのかが一次資料に基づいて具体的に解明された。
(2)幸田露伴や永井荷風の文学作品にみられる東京の川のイメージが、フランスの思想家エミール・マニュの書物からどのような影響を受けていたのかが議論された。
4.社会諸理論に対する地理学からの理論的検討に関しては、次の2つの研究が得られた。
(1)哲学者ヴィトゲンシュタインの言説と「景観」の知覚や相貌に関する研究との関連が検討された。
(2)ドイツの地理学者ハルトケの研究がもつ意味やそれが当時の社会理論に対していかなる関連をもっていたのかが議論された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 野澤秀樹: "社会理論と地理学" 人間科学. 1. (1995)

  • [文献書誌] 礒部啓三: "ポール・クラヴァル:その知的軌跡" 地理. 39. 70-77 (1994)

  • [文献書誌] 山本健兒: "ヴォルフガング ハルトケ" 地理. 40. (1995)

  • [文献書誌] 水内俊雄: "地理思想と国民国家形成" 思想. 845. 75-94 (1994)

  • [文献書誌] 島津俊之: "デュルケームの社会空間論-その意義と限界-" 経済地理学年報. 41. 20-36 (1995)

  • [文献書誌] 遠城明雄: "都心地区をめぐる二、三の問題" 地理. 39. 115-119 (1994)

  • [文献書誌] Keiichi Takeuchi: "La ville comme lieu de confluence et les espaces de confluence dans la ville." A.Berque(ed.)La maitrise de la ville.333-337 (1994)

  • [文献書誌] Keiichi Takeuchi: "Nationalism and geography in Modern Japan,1880's to 1920's." D.Hooson(ed.)Geography and National Identity.104-111 (1994)

  • [文献書誌] Keiichi Takeuchi: "The Japanese Imperial Tradition,Westem Imperialism and Modem Japanese Geography." A.Godlewska and N.Smith(eds.)Geography and Empire.188-206 (1994)

URL: 

公開日: 1996-04-08   更新日: 2015-05-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi