研究分担者 |
村瀬 康一郎 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80150027)
織田 揮準 三重大学, 教育学部, 教授 (90024489)
中嶽 治麿 京都文京短期大学, 教授 (10125255)
能田 伸彦 筑波大学, 教育学系, 教授 (80020121)
浅木森 利昭 国立教育研究所, 教育情報・資料センター, センター長 (60150025)
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研究概要 |
1 学校教育における「情報能力」の目標・評価の枠組み:日本における情報能力の概念的な定義は,4つの柱を中核にした「情報活用能力」を教育課程の目標にしてきている。しかし,コンピュータ科学の急激な発展,ソフトウェア工学の設計作法のドラステックな変革を見る今日,既に大きなギャップが生じてきている。児童生徒に育成すべき情報能力は,コンピュータ科学・情報科学のより根源的な基盤能力目標を中核に設定する必要があり,次の3つの基本の柱を中核にした「情報能力」の育成を考えることが重要であるとの結論に到達した。 (1)問題解決・システム設計能力(問題を直観的に捉え,理論的に解決に進む問題解決能力で,(1)問題を分析し抽象化しモデル化する「モデル構成能力」,(2)問題をシステム的に捉え,効果的な設計を行う「設計能力」,(3)それらを抽象化し理論構成する「理論構成能力」を中核にした能力),(2)コンピュータ能力(コンピュータおよびそれを使いこなす操作能力),(3)情報の高次元・異次元情報変換能力(情報の同次元変換を基礎とする従来の情報活用ではなく,元情報から高次の,異次元への情報変換ができる高次情報活用能力) 2 高校生のアルゴリズム的思考力テストの調査とその特質:定常的問題に対し,非定常的問題(ありきたりでない問題)に対する高校生・大学生のアルゴリズム的思考力は低く,数学能力とも相関がない。中核となる情報能力の欠如が明確に実証され,その教育内容と方法の改善が重要な情報教育の推進の鍵となる。 3 小学生の高次元・異次元情報変換能力(統計情報活用能力)テストの調査とその特質:低次の情報活用能力は学校教育の中で養成されているが,情報活用で本質的に重要となる情報の高次・異次元情報変換能力は極めて低い。ここでも,本質的な情報教育が見直されなければならないことが実証された。
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