研究課題/領域番号 |
05301098
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
石川 毅 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10008063)
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研究分担者 |
長谷川 哲哉 和歌山大学, 教育学部, 教授 (50031810)
藤江 充 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (00106957)
柴田 和豊 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (80094077)
金子 一夫 茨城大学, 教育学部, 助教授 (70114014)
岡田 三郎 宇都宮大学, 教養部, 教授 (90040732)
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キーワード | 芸術教育 / 教授学 / 教科課程 / カリキュラム / 美的教育 / 美術教育 / 教科教育学 / 陶冶論 |
研究概要 |
本研究の目的は「芸術教育」を実践的且つ具体的に展開する論理を考案し、総合教科「芸術」の教科課程並びに教授法を示すことであった。以下、この一年で論究された諸問題を、各分担者からの報告に基づいて述べれば概略次の通りである。 代表者の分担課題は「芸術教授学」であり、それは、「芸術」を教育の原理とする教育原理論として位置付けられる。そこでの教育目的は、広く人間の諸課題とその課題解決能力であり、その細目を支える軸設定と目的展開の基本契機を考案した(研究発表覧に記載の2論文)。長町は、総合教科「芸術」の概念規定のための5つのアプローチを提案し、岡田三郎は、ギリシャにおけるムーシケの基本概念を論究し確かなベースを提供した。こうした基礎的論究に対して、堀は、現代ドイツの状況を紹介し、多様な可能性を示唆し、金子は、近代日本における芸術教育の発生、実践、方法について、調査・研究の手がかりを与え、増田は、山本鼎、久保貞次郎に焦点を当てて「芸術」の視点を探った。また柴田は、現代における芸術と教育との関係の洗い直しの過程で、美術館教育の可能性に期待を寄せた。一方、藤江は、アメリカにおけるDBAEを評価しながらも、「美術すること」を原理とする芸術教育の展開可能性を示唆した。また、井上は、工作教育を重視する立場から、芸術化と技術化との間を「創造」でつなぐことを提言し、長田は、デザインが坦う社会性を現代社会に批判的に生かすためにこそ、教育の中にデザインを位置づけるべきと主張する。岡田は、美術と還境教育との接点を探り、立原は教授法の具体化に取り組み、長谷川は、現代における美的教育の可能性をそれぞれ吟味した。かくてこの多様な問題提起を、総合教科「芸術」にどうのように収錬させるかという新たな課題が、次年度に向けて用意された。
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