研究概要 |
今年度の研究実施計画にしたがって,1.昨年度行った実態調査の基礎データの分析,2.1で明らかになった問題点についての面接調査,3.1,2に基づいて論証指導(とくに,論証導入期の指導)の改善策の検討と策定,を行った。 基礎データの分析の結果から,例えば3年生についてみると,合同・相似の基本的な証明の問いには40〜60%の正答率に対して,「長方形は台形である」の問いには,18%の正答率である。それは生徒の多くが,条件推論によるのではなく,図のみによって判断し,論証での図形の持つ役割を正しく理解していないことによるものと考えられた。van Hieleによれば,多くの生徒はまだ論証の意味を理解できる思考の第3水準に到達していない。 私達の論証導入期の改善策として,論証することの必然性と図の役割の理解を生徒が得るよう,A.空間図形の利用 B.作図問題の採用を考えた。
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