技術の高度化とニーズの多様化に対応した製品安全及び品質保証システムに関する研究

1993 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 05301107
• 研究機関: 中央大学
• 研究代表者: 宮村 鐵夫 中央大学, 理工学部, 教授 (20106892)
• 研究分担者: 大藤 正 玉川大学, 工学部, 助教授 (30119507) ; 鎌倉 稔成 中央大学, 理工学部, 助教授 (40150031) ; 鈴木 和幸 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (00130071) ; 大滝 厚 明治大学, 理工学部, 教授 (20061971) ; 吉澤 正 筑波大学, 大学院殯会システム工学, 教授 (50010781)
• キーワード: 製品安全 / 品質保証システム / 製品品質の構造と安全性 / 品質機能展開 / 安全性と環境 / 製品信頼性と安全 / 人間信頼性 / ニューラルネットワーク

研究概要

平成5年度の研究計画に従い、研究分担者が研究分担項目についてそれぞれ研究を活発に進めてきている。この研究成果により、1)人間のエラーをニューラルネットワークにより解析できるモデルを構築することができるとともに、2)安全性を消費者の立場に立って明確にするときに有効な品質機能展開の手法、3)製品品質における安全性と有用性や信頼性などの他の品質要素との関係を明らかにする品質要素の構造的なモデルの構築、4)安全性と密接な関係にある製品信頼性の特性値に基づく解析・予測モデルの構築、5)人間を情報処理システムと考えての認知心理学アプローチによる製品安全研究の方法論、6)安全と環境の相互作用を研究するモデルの構築、についての方向付けが明らかにされた。
さらに、本年度の研究成果は、12月17日から18日の2日間にわたり実施したシンポジウム「製品安全のQC的アプローチ」で、研究代表者と研究分担者が発表した。このシンポジウムでは、研究課題に密接な関係のある自動車と医療関係の開発技術者の方にも発表を依頼して研究の総合化を行った。また、製品安全研究の多様性から、学界の中で製品安全に積極的な関心をもっている20数名が一堂に会して個別の研究発表についての活発な討論とともに、個別の研究成果の発表を踏まえて、3ブループに分かれてのグループ討論と討論結果の発表と総合討論を実施して、2年間にわたる研究活動の中間評価と今後の研究の進むべき方向の検証を行った。
また、本年度の研究成果の一部は、(社)日本品質管理学会第51回シンポジウム「品質保証と製品安全」において発表し、研究成果を対外的に発信して広く社会に還元する活動も行っている。

研究成果

• [文献書誌] 宮村鐵夫: "品質保証と製品安全" (社)日本品質管理学会第51回シンポジウム講演要旨集. 1-6 (1993)
• [文献書誌] 宮村鐵夫、鎌倉稔成: "人間信頼性と認知モデル" 「製品安全のQC的アプローチ」シンポジウム講演・発表要旨集. 15-28 (1993)
• [文献書誌] 吉澤 正: "環境管理システム・監査などの国際標準化動向" 品質管理. 45. 13-18 (1994)
• [文献書誌] 木村誠、鶴田栄作、大滝厚: "TQEM(全社的環境・品質管理)のパラダイム" 品質管理. 44. 763-773 (1993)
• [文献書誌] 保坂幸尚、大滝厚: "ライフサイクル・アセスメント-環境視点に立った品質保証活動-" 品質管理. 45. 75-81 (1994)
• [文献書誌] 保坂幸尚、大滝厚: "環境視点に立った品質保証システム" 「製品安全のQC的アプローチ」シンポジウム講演・発表要旨集. 41-48
• [文献書誌] 嶋崎真仁、鈴木和幸、大塚久美: "直交配列表を用いたワイブル回帰モデルの推定に関する一考察" 日本信頼性学会誌. 15. 2-10 (1993)
• [文献書誌] 鈴木和幸、真木浩司、横川慎二: "劣化量データを用いた寿命特性推定法に関する一考察一拡散の故障メカニズムに基づく場合-" 日本信頼性学会誌. 15. 6-13 (1993)
• [文献書誌] 横川慎二,鈴木和幸: "劣化量データを用いた設備の最適保全方策とパラメータ推定" 日本設備管理学会誌. 5. 3-12 (1993)
• [文献書誌] Suzuki,K.: "Estimation of Usage Lifetime Distribution from Calendar Lifetime Data" Reports of Statistical Application Research. 40. 10-22 (1993)
• [文献書誌] Suzuki,K.,Maki,K.,Yokogawa,S,: "An analysis of Degradation Data of a Carbon Film and the Properties of the Estimators" Statistical Science and Data Analysis. 501-511 (1993)
• [文献書誌] Wijayasena,H.K.,Koizumi,I.,Suzuki,K.: "Study of the Quality Assurance System in the U.S.A.based on Quality Standards and Its Comparison with Japanese System" TheASIA Quality Control Symposium 1993 Tokyo. 49-52 (1993)
• [文献書誌] Kamakura,T: "Inference on the Parameters of Statisitical Reliability Models for Software" Bulletin of the Intemational Statisitical Institute 49th Session. 47-48 (1993)
• [文献書誌] 鎌倉稔成他: "劣化画像データの統計的復元について" 応用統計学会1993年度年会講演予稿集. 45-49 (1993)
• [文献書誌] 鎌倉稔成: "点過程のトレンド検定に関して" 第61回日本統計学会講演報告集. 187-188 (1993)
• [文献書誌] 大藤正: "部品の品質保証" 品質. 23. 6-13 (1993)
• [文献書誌] 大藤正: "製品責任と品質機能展開" 「製品安全のQC的アプローチ」シンポジウム講演・発表要旨集. 1-6 (1993)
• [文献書誌] JSQC月刊テキスト編集委員会編(大滝厚分担): "TQCで生かす顧客満足・従業員満足(1章、顧客満足度の向上活動とTQCを分担執筆)" (財)日本規格協会, 65(1章、1〜12) (1993)
• [文献書誌] 大藤正: "確実な品質保証のためのQFD" 日科技連出版社, 41 (1993)
• [文献書誌] 高城茂他(大藤正分担): "商品開発と品質保証" フジ・テクノシステム, 857 (1993)