研究分担者 |
小松 彦三郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (40011473)
吉野 崇 東北大学, 理学部, 教授 (50005774)
大春 慎之助 広島大学, 理学部, 教授 (40063721)
宮地 晶彦 一橋大学, 経済学部, 教授 (60107696)
藤原 英徳 近畿大学, 九州工学部, 教授 (50108643)
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研究概要 |
実函数論・函数解析学2分野合同のシンポジュウムを開催するとともに上記の各分担者がそれぞれの専門分野の研究集会を主催して研究交流した.研究実績はつぎの通り. 1.表現論と調和解析の分野では,平井らの無限次元群のユニタリ既約表現の構成・梅田亨らの量子群の構造の研究・山下博らの半単純リー群の表現論ならびに藤原英徳らの可解リー群の表現論の研究等で成果があった.2.実解析学では,微分方程式に函数空間の理論を応用して成果を上げた.フーリエ掛け算作用素に対する作用函数や種々の直交函数系,函数近似,等に関する古典的問題においても成果があった.羽鳥はバナッハ代数と作用函数とに関して良い結果を出した.確率論の佐藤坦らのグループの研究成果は実函数論に新しい刺激を与えつつある.3.函数空間と作用素の研究の分野では,近年益々非線形解析の分野がその重要性を増している.今年度の研究では,従来の研究をさらに発展させると共に具体的な非線形問題の研究に重点を置いた.また共同研究により抽象理論の必要性を示し,多くの新知見を得た.4.作用素環・函数環の分野では,Toeplitz作用素の研究・因子環の指数理論・因子環の包含関係の研究等で進展があった.5.微分方程式の函数解析的研究の分野では,国際会議を主催しその会議録を出版した.ここで公表された研究の多くは,ひき続き発展している.一例として,小松は,ラプラス超函数に対して,角域で整型な函数が自然な乗法因子となることを発見し,微分方程式の解法に役立てた.
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