研究分担者 |
三好 哲彦 山口大学, 理学部, 教授 (60040101)
藤田 宏 明治大学, 理工学部, 教授 (80011427)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
田端 正久 広島大学, 理学部, 教授 (30093272)
岡本 久 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (40143359)
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研究概要 |
非線形現象の構造とそのダイナミクスの解明を目的とする本研究では,5つの分野(1)流体系の非線形構造,(2)自由境界と界面のダイナミクス,(3)破壊現象の科学計算,(4)微分方程式に現れる特異点の構造,(5)力学系における分岐構造の追跡の研究を推進してきた. 主要な成果は下記の通りである.(1)では,自動搬送車周りの気流解析・軸対象問題の有限要素解析・自由境界を含む流れ問題の数値解析(田端),水面波の分岐現象の数値シミュレーション・渦法によるEuler方程式の数値計算(岡本),粘性定常流の摩擦型境界値問題の応用解析(藤田).(2)では,パルス進行波解の大域的分岐構造(池田),高次元空間における界面パターンの存在と安定性(西浦),反応拡散方程式と特異極限法(三村),一般化された曲線短縮方程式の数値解析(堤),Navier-Stokes流れと多孔性媒質中の流れに現れる自由境界(河原田).(3)では,弾・塑性問題に対する任意曲線法の応用(三好).(4)では,退化非線形放物型方程式の爆発解の数値解析(堤,俣野).(5)では,Autoを利用した分岐構造の解析(池田),自由境界のある流体方程式と分岐問題(西田).また,この5分野との関連において,カオスの社会学的応用「流行現象の閾値モデル」(山口),Brain Dynamicsと情報符号化・情報表現(藤井)の研究がなされた. 本研究は理論的解析と科学計算の有機的結合を特徴としたものである.数値計算の面においては下記のような成果が得られた.差分微分方程式の数値解析・大規模線型連立系に対する共役勾配型反復法(三井),Fourier変換型積分に対する二重指数型積分公式・Bessel関数の零点を標本点に持つ数値積分公式(森),補外法の改良(三好),熱対流系や回転する同軸円筒間の流体運動の精度保証付き数値計算(西田),領域分割法における収束の速さと領域の形状の関係(藤田).
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