研究課題/領域番号 |
05302014
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
花輪 知幸 名古屋大学, 理学部, 助手 (50172953)
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研究分担者 |
羽部 朝男 北海道大学, 理学部, 助教授 (90180926)
富阪 幸治 新潟大学, 教育学部, 助教授 (70183879)
冨松 彰 名古屋大学, 理学部, 教授 (10034612)
柴田 晋平 山形大学, 理学部, 助手 (90187401)
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キーワード | 磁気流体 / 太陽フレア / 星形成 / 銀河中心核 / ジェット / 磁気再結合 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
研究会を名古屋大学で開催し(平成7年1月10日‐12日)、この2年間の研究を総括した。そこでの報告から主なものを以下に紹介する。 1.動的に収縮する円盤の形成:磁場に貫かれた分子雲が重力収縮すると、磁場に垂直な円盤が形成される。その円盤の密度分布が相似的に進化することが数値シミュレーションによって明らかにされた。また相似的進歩をするメカニズムも理論的に説明された。この理論によれば、最初に円盤の中心部が収縮し、中心から距離に反比例した綿密度分布が形成される。 2.太陽フレアの統一理論:太陽X線衛星「陽光」の観測によって、フレアより規模がずっと小さな爆発現象も、本質的にはフレアと同じ現象であることが明らかにされた。これらの爆発現象は、磁気再結合がエネルギー源で、磁束管の形状も互いによくにている。磁束管の大きさとエネルギー解放の規模には相似則が成り立つ。 3.ジェットの加速と収束:銀河中心核などから放出される高速ガス流(ジェット)について、次の2点が明らかになった。(1)磁場に閉じこめられたジェットの開き角は、放射源からの距離の対数に反比例して小さくなる(対数的収束)。(2)ジェットには、fast point,slow point,Alfv n pointを通るように流れを自己調節する機能がある。そのため初期の過渡的な段階が過ぎると、ジェットの速度や流束は初期条件に依存しなくなる。 4.数値シミュレーションの技法:微分方程式の解法や、シミュレーション結果の表示・解析についても新しい提案や改良が紹介された。 磁気流体による流れと構造の形成過程の理解を普遍的なレベルにするという当初の目的は達成された。
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