研究概要 |
形状創成理論の体系化と応用に関し,下記に要約される成果を上げることができた. 1.誤差の影響を考慮した形状創成理論を体系化することができた. 2.5自由度を持つ多軸制御工作機械に対して,5軸マシニングセンタとしての機能を発揮しうる構造を自動決定するアルゴリズムを完成させた. 3.5軸工作機械を用いた曲面の加工プロセスを対象とし,運動誤差を含む形状創成運動のモデルを構築した.このモデルを用い,創成運動の誤差に起因する加工面の誤差を,モンテカルロシュミレーションによって定量的にかいせき,評価する方法を提案した. 4.正立方体の形状計測による工作機械のアライメント誤差導出の理論を構築した.3軸縦フライス盤においては30個のアライメント誤差成分が考えられるが,測定プローブを一度工作機械スピンドルに固定した状態で,これらすべての誤差を推定するための測定法と誤差推定法を検討した.その結果,誤差成分を道程しうる成分と,分離はできないがその和として評価できる成分を明らかにすることができた. 5.テ-パボールエンドミルでは,通常端面切刃を使って加工するが,側面切刃を使用できれば,同じカスプ高さならばピックフィールドを大きくでき,加工能率が向上する.そこで,側面切刃を積極的に用いる加工法を考案した.そして,基本的には側面切刃を使用し,オーバーハング形状などの側面切刃では対応できない部分に端面切刃を適用する考え方に立脚した工具経路の精製法を確立した.
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