研究課題
総合研究(A)
本研究では、植生群落を伴う流れ、植生を伴う流れが流砂機構に及ぼす影響について検討し、それらを総合化することで、河川環境のあり方とその整備方向についての検討を行った。得られた知見は次のようにまとめられる。1.植生群落を伴う流れいわゆる低周波の横断混合は流入端から水深の10倍程度から発達し始め、初期の段階からそのピーク周波数は大きな変化がないことが認められた。こうした低周波成分をフーリエ成分法を用いて非定常成分として分離を行い、適切に高周波成分を定義した。こうした分離を行うことで掃流砂、浮遊砂に及ぼす低周波成分による移流と拡散とが明確に分離された。2.流砂機構への影響掃流砂、河床高の変動は低周波変動の影響を受け、それは単に横断方向のみならず縦断方向にも変動していることが分かった。また、浮遊粒子も低周波変動の影響を受け、そのスペクトルのピークと低周波変動のそれとは一致し、拡散係数を見掛上大きくするという便宜的な手法より、移流として取り扱う方がより適切であることを示した。3.河床形状への影響低周波変動によって植生帯と非植生域との境界面での河床横断形状に及ぼす流れの特性、植生の特性の影響を明らかにした。これらの知見にもとづき、植生による河道形成への方法を提案した。
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