研究課題
固液混相流の支配方程式の構造とその適用性について研究を推進し、次のような成果を得た。(1)一流体モデルは適用に際して粒子径や粒子濃度などの制約は厳しいものの、支配方程式の数学的表現は明確である。このため、適用例も多く、浮遊砂流、土石流、掃流砂流などの解析に適用されている。しかし、構成則の一般性という面からこのモデルを見ると、システムのエネルギー散逸構造を直感的にこれを定めて議論している段階にある。(2)二流体モデルは、固相と液相それぞれ独立な支配方程式から出発し、二つの相の境界を含むごく薄い領域に汎関数を導入してある領域にわたる平均操作から得られたものである。このモデルにおいては、相互作用が支配方程式および構成則にどんな形で取り込まれるかが重要であるが、通常body forceの形式で支配方程式に表現されている。これは、相互作用がエネルギー散逸機構には影響を与えないという結果であって、その物理的な解釈なかなり難しい。これはシステムの作り方、あるいは平均操作の仕方に起因するものと思われるので、今後、問題を見直す必要がある。(3)粒子〜流体モデルは、粒子は質点、弾性体、あるいは非弾性体からなる粒の支配方程式に従うとするものである。粒子濃度が小さく、相互作用がone way条件を満たすような領域の研究では多くの成果が上げられている。また、相互作用がtwo wayの場合においても、上述(2)のような問題は残されるものの、掃流砂流などの解析に適用されるようになってきている。
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