研究課題/領域番号 |
05302057
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
経塚 雄策 九州大学, 大学院総合理工学研究所, 教授 (80177948)
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研究分担者 |
肥後 靖 広島大学, 工学部, 助教授 (20156582)
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40155859)
内藤 林 大阪大学, 工学部, 助教授 (20093437)
高木 幹雄 広島大学, 工学部, 教授 (00038556)
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80038562)
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キーワード | 大規模海洋構造物 / 海洋環境 / 環境アセスメント / 潮流解析 / 位置保持システム / 多重連帯浮体 / 波漂流力 / 相互干渉理論 |
研究概要 |
今年度の研究では,超大型海洋構造物として箱型浮体構造物を想定し、それが内湾に設置されたときの潮流解析と拡散の数値計算を行った。箱型浮体は特に建造コストが低く抑えられるので、最近、浮体空港への適用が有望視されている。潮流計算については一般に差分法で実行されるが、そのときの計算挌子は小さなものでも数十メートルであって、半潜水式海洋構造物では物体形状が複雑すぎてかなり粗い近似をしないと表現できないが、箱型については忠実に計算できる。そこで、単層モデルではあるが、浮体下部の流体運動も表現し得るモデルを用いて人工湾と有明海の実地形を用いて潮流解析および拡散の計算を行い、海洋構造物が内湾の海水の流動に与える影響について考察を行った。昨年度の研究で得られた埋立方式の計算結果などと比較すると浮体方式では設置によって内湾の海水の流動に与える影響は小さくことがわかった。(経塚分担分) 浮遊式海洋構造物の係留による位置保持とスラスター制御による位置保持を組み合わせたシステムを考え、不規則波における運動のシミュレーション計算を行った。その結果、LQI制御理論を使用したコントローラーは、長周期動揺を防止することが可能であることと、カルマンフィルターを用いると長周期運動のみに反応するコントローラーが設計でき、省エネ型制御が可能であることなどの結論を得た。(小寺山・中村分担分) 多重連結大規模浮体の波浪中運動性能と波浪漂流力に対する、多重浮体間の連結部の剛性による影響を調査した結果、長波長域で波浪漂流力が大きな影響を受けること、その原因は波上側のユニットの縦揺が大きくなるためであること、連結部の剛性を増すと漂流力の極大値を抑えることが出来ること、などが判明した。(高木・肥後分担分) 超大型浮体の流体力の理論推定法に関して、相互干渉理論のレビューと運動量理論による2次の波漂流力・モーメントの理論計算法などの解説、および浅海域における3次元グリーン関数の高速計算が示された。(柏木担当分)
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