研究課題/領域番号 |
05302061
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
花野 学 日本大学, 薬学部, 教授 (60012598)
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研究分担者 |
矢田 登 広島大学, 医学部, 教授 (70028835)
林 正弘 東京理科大学, 薬学部, 教授 (20012669)
辻 彰 金沢大学, 薬学部, 教授 (10019664)
杉山 雄一 東京大学, 薬学部, 教授 (80090471)
粟津 荘司 東京薬科大学, 教授 (60012621)
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キーワード | 薬物体内動態 / 生理学的モデル / 細胞膜透過 / 薬物吸収 / 薬物ターゲッティング / ペプチド薬物 / 鎮痛薬 |
研究概要 |
薬物体内動態の予測と制御によって薬物の効果と安全性を向上させるための手法に生体の生化学的、生理学的機構を取り入れることを目的にした本研究班本年度研究実績の概要を以下に示す。花野は抗炎症、鎮痛薬インドメサシンおよびイブプロフェンの血中濃度・薬効関係をラットにおいて測定し、血中濃度の定常状態維持が鎮痛効果の確実な発現と固体差の減少に有効なことを示した。伊賀はH2受容体遮断薬による中枢性副作用発生と体内動態の関係を、稲葉はDNA topoisomerase II拮抗薬による殺細胞速度論を、井上は生体内消失半減期を延長したSuperoxide dismutaseによって火傷ラットの腎障害を防止できることをそれぞれ示した。 薬物体内動態への生化学機構の関与の研究では、各班員による以下の研究成果が得られた。粟津は薬物糖鎮包合体の能動的消化管吸収における糖構造の関与を、杉山は有機アニオン化合物の能動輸送による胆汁への排泄の機構に化合物による多様性のあることを、辻はシクロスポリンAの血液脳関門の透過におけるmultidrug transporterとP-glycoprotein関与をそれぞれ明確にした。寺崎はNa^+dependent uridine transport systemをmRNA注入アフリカツメガエル卵によって発現することに成功し、林はrhG-CSFの鼻粘膜からの吸収を、渡部は分子量分割ヘパリンの初代培養肝細胞への取り込を証明し、乾は人小腸上皮細胞Caco-2の粘膜および漿膜側のdipeptid transporterを明らかにし、矢田はturpetine処理ラットにおけるキニジンの体内消失への蛋白結合増加の影響を明らかにした。樋口は動態研究の臨床への応用としてリチュウムの血中濃度のpopulation kinetics解析を行った。以上本研究班は研究目的の達成に有為な業績を挙げたが、一層の総合的成果の達成が期待される。
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