研究課題/領域番号 |
05302067
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡田 弘 北海道大学, 理学部, 助教授 (40000872)
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研究分担者 |
清水 洋 九州大学, 理学部, 助教授 (50178985)
植木 貞人 東北大学, 理学部, 助教授 (40004501)
石川 有三 気象庁, 気象研究所, 主任研究官
佃 為成 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20027288)
尾池 和夫 京都大学, 理学部, 教授 (40027248)
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キーワード | 群発地震 / 地震群 / 地殻応力 / 地震活動 / 前兆現象 / 火山性地震 |
研究概要 |
平成6年度では、研究活動の中心を、昨年度作成した群発地震のデータベースである「日本の群発地震(暫定版)」の拡充に集中した。一定の書式で作成された暫定版は、大幅な追加や、入力空白部の補充、および修正作業を要した。本年度の作業でデータファイルは、約30%の拡充を行うことが出来た。研究費のかなりの部分は、この膨大なデータの整理、入力作業の謝金およびコピー代に充てられた。データファイルの有効な活用のためには、データ数の拡充と、検索キ-を充実させることが最も重要であり、リレーショナルデータベースに発展させるため、引続き災害ポテンシャルに関する関心事検索キ-の整理を行った。 群発地震の災害ポテンシャルと関連して、注目されるいくつかの事項が本研究で明らかになった。メンバーの一人は、かって地震群の時空パターンから、活断層に沿う地震空白域をいくつか指摘していた。兵庫県南部地震は、指摘されていた1箇所で発生した。地震群の特徴であるこの知見を活用することにより、内陸地震や活断層帯の地震空白域として「第3種空白域」が新たに提唱された。 また、北日本で続いた大地震では、北海道や東北地方のカルデラ域や火山体で群発地震が誘発したり、あるいは大地震前に火山で地震群が見られたり、更に大地震を契機に逆に火山の群発地震活動が低下するなど、かなり広域的な現象を確認できた。従来個別議論で終わっていた問題が、北日本の地震活動の活発化や、更に兵庫県南部地震と北日本の地震群活発化との関連等、火山活動を含む島弧の広域応力場の問題として議論できる新しい方向が、本研究でまとめている群発地震のデータベースを基礎に可能となってきた。
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