研究概要 |
次の各加速器施設での研究実績の概要を述べる。 (1)東北大学サイクロトロン 陽子35MeV,^3Me 65MeVをLi,Beターゲットに当てて準単色及び白色中性子を発生させ、TOF法を用いて種々の中性子検出器のエネルギー応答特性を測定すると共に、鉄・コンクリート透過実験や鉄・アルミニウムからの中性子生成ガンマ線の測定が行われた。 (2)東京大学原子核研究所サイクロトロン 陽子20,25,30,35,40MeVをLiターゲットに当てて、それぞれ17.9,22.0,27.6,32.7,38.1MeVの準単色中性子を発生させ、23種に及ぶ天然または濃縮同位体試料に入射して、中性子放射化断面積を測定した。得られた放射化断面積としては全部で30種類になった。これらのほとんどは今までに全く実験値の存在しないものである。 (3)原子力研究所高崎研サイクロトロン i)P-Li準単色中性子ビームによる実験 43及び67MeVの陽子をLiターゲットに当て40.5及び64.5MeVの準単色中性子を発生させ、それを用いた中性子検出器の応答関数の測定、C,Al,Bi,Cuなどの中性子放射化断面積の測定、鉄・コンクリートの透過実験、水ファントム内における中性子線量分布の測定、中性子によるC(n,p),C(n,d)反応断面積と生成荷電粒子スペクトルの測定など多くの実験が開始された。 ii)p-Cu白色中性子ビームによる実験 67MeVの陽子をCuターゲットに当てて連続スペクトルを持つ中性子を発生し、発生室内における中性子束の分布とその室につながる迷路中での分布を様々の中性子検出器を用いて測定した。 iii)^<12>Cイオンビームによる実験 220MeV^<12>CイオンをC,Fe,Zrの各ターゲットに入射し、生成される中性子のエネルギー角度二重微分生成量を測定した。 これらの研究成果の一部は1994年4月及び5月にアメリカで開催される放射線遮蔽国際会議及び核データ国際会議で報告する予定である。
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