研究分担者 |
田中 俊一 原研 原子炉工学部, 遮蔽研究室長
秦 和夫 京都大学, 工学部, 助教授 (70109023)
今村 峯雄 東京大学, 原子核研究所, 助教授 (10011701)
柴田 徳思 東京大学, 原子核研究所, 教授 (80028224)
馬場 護 東北大学, 工学部, 助教授 (20005466)
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研究概要 |
本年度は2年目であり、実施計画に従って下記のような成果が得られた。 1)軽イオン入射による中性子生成のエネルギー・角度分布の測定 原研高崎研究所のAVFサイクロトロンを用いて陽子70MeV及びC^<5+>イオン220MeVの加速ビームをC,Zrなどの厚いターゲットに入射し、それから生成される2次中性子の角度、エネルギー分布を有機液体シンチレータを用いてTOFにより測定した。精度のよい結果が得られたので近く論文としてまとめる予定である。 2)中性子に捕獲γ線及び荷電粒子生成断面積の測定 東北大学サイクロトロン・RIセンターのAVFサイクロトロンにおいて35MeV陽子をBeターゲットに当てて発生した中性子を用いて鉄の中性子捕獲反応断面積を測定し、既に論文として公表した。また高崎研のサイクロトロンで70MeV陽子の^7Li(p,n)反応で生成した準単色中性子ビームを用いてC(n,p)及びC(n,d)反応の角度、エネルギー二重微分断面積を測定し、計算値と比較しその精度を検討した。他のエネルギーについても今後測定を行っていく予定である。 3)中性子による放射化断面積の測定 東大核研及び原研高崎研のAVFサイクロトロンを用いて、20〜40及び40〜90MeV陽子の^7Li(p,n)反応で生成した準単色中性子ビームによる種々の物質の放射化断面積を測定した。さらに理研リングサイクロトロンを用いて80〜135MeV陽子の^7Li(p,n)反応生成中性子ビームによりC,Al,Cu,Biの放射化断面積を測定している。この内20〜40MeVの領域のデータは既に解析が終了しその一部は近く論文として公表される。その他のデータは現在解析中である。 4)中性子の物質透過及びダクトストリーミングの測定 高崎研サイクロトロンを用いて、45,70MeV陽子の^7Li(p,n)反応生成中性子によるコンクリート及び鉄透過実験を行った。この結果は既に国際会議で発表したが、論文として公表の予定である。また迷路漏洩中性子分布の測定も行っており、現在結果を整理中である。
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