研究課題
本年度においては、2回の班会議を通じて班員相互の討論を通じて、お互いに連絡を密にしながら以下の3つのグループに分類出来る内容についての研究成果を得ることが出来、相互研究としての実をあげることが出来た。距離情報からのアプローチ: 直接結合した原子間の正確な距離測定法に関する新しい方法を提案し、それに伴う種々の誤差要因を評価した(寺尾)。蛋白質の三次元構造解析に関しては、バクテリオロジプシン、エンケファリンなど生合成または化学合成により安定同位体標識を行った後、回転エコー二重共鳴法による距離測定を行った(斎藤)。さらに、セルロース複合結晶の空間分布に関して、スピン拡散挙動からの解析を行った(堀井)。配向系の精密解析:^<12>N-^1H双極子相互作用をオーバートーンNMRにより測定し、蛋白質構造解析へのアプローチを行った(引地)。絹蛋白質を高度に配向させることにより、原子分解能での構造解析を行った(朝倉)。さらに、水素結合系における化学シフトと水素結合の相関(安藤)および、^<15>N化学シフトテンソルの精密測定による構造への適用を行った(荘司)。生体膜系:生体膜を構成するリン脂質のコリン部分の配向状態を選択標識した重水素のHMR信号の挙動から解析することができた(阿久津)。また、光合成細菌におけるクロロフィル-蛋白質の相互作用を、回転共鳴法によって解析することが出来た(野澤)。
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