研究概要 |
平成5年度は各班員の現在行っている、天然からは極めて微量しか得られない生理活性物質の合成研究を推進した。班員に相互連絡、また互いに研究上の問題点を指摘し合う場として、大阪大学産業科学研究所の富岡 清教授の厚意により同研究所の講演会場を使いオープン形式で同大学の化学系学部の大学院生にも解放し、17名の班員参加(3名欠席)のもと、班員4人によるセミナーを開催した。講演として、柴崎正勝教授(東大 薬)、「Synthetic Studies on Tautomycin,A Protein Phosphatase Inhibitor」、上村大輔教授(静岡大 教養)、「海洋微生物由来の生物活性物質」、西沢麦夫教授(徳島文理大 薬)、「Total Synthesis and Structure Revision of Sweet Aponin,Oslandin」、および兼松 顕教授(九大 薬)、「アレニルスルホニウム塩を合成素子とした極微量海洋性天然物の合成」が行われ活発な討論が闘わされた。また、参加した大学院生からも質問があり極めて有意義な班会議を開催することが出来た。ことに上村による新規海洋性微量生理活性天然物の検索は、将来に向けて班員に研究課題を提供する意味でも、また、アッセイ手段の確立が生理活性微量天然物の単離のために如何に重要な位置を占めているか、を印象付ける意味で卓越した講演であった。 来年度も大阪においてオープン形式で班会議を開催し班員の研究の進展に役立てたい。
|