研究分担者 |
片山 倫子 東京家政大学, 家政学部, 教授 (20056386)
岩崎 芳枝 郡山女子大学, 家政学部, 教授 (40014659)
杉田 浩一 昭和女子大学, 家政学部, 教授 (40054134)
和田 淑子 関東学院女子短期大学, 家政科, 教授 (90123207)
岩村 泰子 文教大学女子短期大学部, 栄養科, 教授 (30086897)
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研究概要 |
1.家庭での揚げ油の使用状況についてアンケート調査を実施し,揚げ油は週一回程度,油の色や使用回数を目安に紙にしみ込ませるなどの方法で2〜3回の使用後に廃棄する家庭が多い等の実態が明らかになった。調査結果を基に献立を作成・調理して揚げ油の色と化学的測定値を比較したところ,3回使用後の劣化は少なかった。 2.揚げ材料による油の色変化,化学的測定値を調べ,動物性食品では着色度が大で,酸価が高いが,POV,カルボニル価,アニシジン価は植物性食品で高くなることが分かった。使用後の油は保存温度より日光の影響を大きく受ける。油漉し器や吸着剤による脱色効果は,食品材料により異なる。 3.55回フライに使用した油の配合飼料によるSD系雄ラットの見かけの消化率は,新油配合の場合より低かった。SDラットの血清生化学値から,使用限界を白絞油で酸価1.75と2.59の間,硬化油では1.82と2.71の間と推定した。 4.食パン,鶏肉等を油中で過熱したときの試料や加熱条件が吸油量,脱水量に及ぼす影響,加熱後の試料のコラーゲンの熱変化等を検討し,温度制御を的確に行えば,廃油を減らす揚げ条件が得られることが分かった。 5.廃食油から手作り石ケン(プリン石けん)を調製し、洗浄力試験や着用試験を行って洗浄性を中心とした消費性能を検討した。使用油,使用条件,繰り返し使用回数などの異なる廃食油から,通常行われる方法で調製したプリン石けんは,水分が約20%,純石けん分は15〜18%程度であり,6〜8g/l溶液での洗浄力は標準使用濃度での市販石けんと同程度であった。しかし,20回の着用・洗濯を繰り返した場合には,プリン石けんでの黄化や吸水性の低下などが大きかった。頻回使用油による石けんは,新油による場合より用水の硬度の影響をうけ,洗浄力も低下する。純石けん分当たりのBOD,TOCは,市販石けんと比べ殆ど差が認められなかった。
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