研究課題/領域番号 |
05303017
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
楠田 哲也 九州大学, 工学部, 教授 (50037967)
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研究分担者 |
山本 和夫 東京大学, 工学部, 助教授 (60143393)
古賀 憲一 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00108656)
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
入江 正浩 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (30001986)
川端 成彬 :京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (70025998)
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キーワード | 機能性物質 / 機能性材料 / 膜ろ過 / 晶析脱リン / 低圧逆浸透膜 / ピリジニウム型高分子 / 機能性ゲル |
研究概要 |
体系的研究としては、ゼオライト、キノン類、ウイルス除去膜、人工筋肉、光触媒反応を有する酸化チタン等の機能性物質の原理、特性、反応性と応用について検討を加えた。 個別研究においては、たとえば、ピリジニウム型高分子で表面処理した不織布は効果的でなかったが、ピリジニウム型高分子で表面処理したセルロースメンブレンが水中のウイルスをろ過法によって除去するためのフィルターとして優れた性質を示した。機能性ゲルの応用については、N-n-プロピルアクリルアミドに、アクリルアミド、メタアクリルアミド、あるいは4ビニルピリジンを組合わせ、ゲルを合成しそれぞれの温度とpH変動に対する膨潤特性を検討した。前2者が利用可能であることが判明した。また、ジチオカルバメート誘導体を架橋剤とするポリスチレンゲル、ポリアクリルアミドゲルを合成した。これらのゲルは、脱気下、光照射により可逆的に可溶化することが認められた。機能性膜を利用した排水処理においては、電場や荷電を利用した機能性濾過膜の水処理への適用可能性を検討した。電気限外濾過では大腸菌ファージQβのリ-クを減少させることが出来た。低圧逆浸透膜では従来よりもさらに低い圧力での運転で溶存イオンの選択的除去の可能性を示せた。膜ろ過浄水システムの研究においては、河川水を精密ろ過または限外ろ過により前処理した後、ナノろ過を行なうことにより、ナノろ過膜の種類によっては、塩類濃度を特に変化させることなくトリハロメタン等の前駆物質を除去できることが明らかとなった。リン固定型カルシウム結合体によるリンの超高度処理においては、カルシウムを主体とする多孔質のろ過材を作成し、晶析脱リン効果について検討した。カルシウム含有率によって除去率が不安定、あるいは低下するために、最適なカルシウム含有率は30%前後であることが分かった。
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