研究課題/領域番号 |
05304004
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川那部 浩哉 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025286)
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研究分担者 |
大串 隆之 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (10203746)
甲山 隆司 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (60178233)
小野 勇一 九州大学, 理学部, 名誉教授 (60037166)
井上 民二 生態学研究センター, 教授 (90109041)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
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キーワード | 生物多様性 / 保全地域理論 / 屋久島 / 琵琶湖 |
研究概要 |
平成6年度の本研究では、生物多様性の維持・利用にかかる保全地域理論の基礎とするためにフィールドでの実証的研究としてのパイロット研究を2つ行ない、これらと並行して理論的研究を行った。 屋久島におけるパイロット研究では、底辺4×8メートル、高さ15メートルと、林冠上端まで抜ける足場アクセスシステムを計画し、葉やシュートモジュールの動態の観測を行い、森林の垂直および水平構造が構成樹種の多様性維持に果たす役割についてと実証的研究がすすめられている。一方、琵琶湖におけるパイロット研究では、沖合帯や沿岸帯における生物群集を扱い、沈水・抽水植物などの構造体や微小生物による排泄物の動態も含めた生物的環境の微細構造が、その場の生物群集の多様性に大きな役割を果たしている一方で、水という粘性のある媒体の特質によって作り出される異質な場、あるいは降雨等によって引き起こされる水際での変動環境における、異なった位相をもつ連鎖的生態現象について実証的な研究がすすめられている。 このように、時間スケール、あるいは陸上、水界、また温帯、熱帯を問わず、それぞれの地域特有の地球物理的環境に加えて、生物自身が作り出す場の環境の多様性により、その生物群集の一層の多様性が維持されていることが検証がさらに進められた。これら本研究のパイロット研究成果をもとに各分野の研究者とともに研究討議の場をもち、生物多様性の維持機構を客観的に記述・測定する方法や保全のための方法論と今後の課題の検討を行った。
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