研究課題/領域番号 |
05304013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
難波 成任 東京大学, 農学部, 助教授 (50189221)
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研究分担者 |
古澤 厳 京都大学, 農学部, 教授 (10026594)
高浪 洋一 九州大学, 農学部, 助教授 (50243944)
高橋 壮 岩手大学, 農学部, 教授 (60003753)
土崎 常男 (財)鯉淵学園, 教授 (30207394)
都丸 敬一 東京農業大学, 総合研究所, 教授 (40172176)
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キーワード | 分子分類 / Gpple stem grooving virus / Potato virus T / Capillovirus / Trichovirus / キュウリモザイクウイルス |
研究概要 |
ククモウイルスの代表ウイルスであるキュウリモザイクウイルスの東南アジア産分離株(都丸)、アブラナ科系統分離株、CS・NS・pepo・FT・Y等の分離株(古澤)を同定し、生物学的性質・RNAゲノム組成・血清学的性質を調べ、増殖・精製し、その理化学的性状を調べた。また、ゲノムRNAを精製、RNA1,2,3のcDNAを合成し、クローニングし、塩基配列を決定した。この塩基配列を元に、他のウイルスとの比較解析を行い、国内外に発生する他のククモウイルスおよびそれ以外のウイルスの各分離株の生物学的性状・遺伝子構造・遺伝子の機能に関する既報及び未報告のデータを集めた。また、カピロウイルスに分類されているリンゴステムグリービングウイルス(ASGV)・potato virus T(PVT)を増殖・精製し、その理化学的性状を調べ、ゲノムNAを精製RNAを合成し、クローニングした。そして、両ウイルスの塩基配列を決定した。キャピロウイルスに関する海外のデータを集め、整理した。また、キャピロウイルス以外のウイルスのデータを集め、得られたデータをもとに、各遺伝子領域を用いて、系統学的な解析を行った。その結果、ASGVのゲノムには大きなORF1とその中央より3′端末寄りに小さなORF2が一つあることがわかった。一方PVTには互いに末端が少しずつ重複した3つのORFが存在することが明らかになり、ASGVとPVTは互いに全く異なった遺伝子構造を持つことが明らかとなった。この成果により、ASGVはCapillovirus属のタイプ種に、一方PVTはこのグループから外し、代わりにTrichovirus属を新たに設立し、これと遺伝子構造の類似していることが明らかとなったリンゴクロロティックリーフスポットウイルスをタイプ種として一緒に分類することを提案し、国際ウイルス分類委員会において承認された。
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