研究分担者 |
安藤 信 京都大学, 農学部, 講師 (00133132)
川那辺 三郎 京都大学, 農学部, 教授 (10026396)
長山 泰秀 島根大学, 農学部, 助手 (60228062)
片桐 成夫 島根大学, 農学部, 教授 (00032649)
千葉 喬三 岡山大学, 農学部, 教授 (10036741)
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研究概要 |
地域の環境に応じて降水・エアロゾルなどの降下物の量と質が,種類や形態の異なる森林にどのような影響を与えるか,また森林からどのような質と量が流失するかを省南部とタイ国北部の照葉樹林森林集水域を加えて広域的研究を行った。 (1)渓流水水質の広域的調査を通じて暖かさの指数を対応して調査地域を冷涼,暖温,熱帯の3地域に類別することが可能でそれぞれ特徴的な水質を示すことがわかった。Ca^<2+>,Mg^<2+>,NO_3^-,SO_4^<2->など渓流水の水質を特徴づけるイオン濃度は,冷涼地域と熱帯地域で低く,暖温地域で高くなる傾向を示した。冷涼地域では低温のため有機物の分解と岩石風化の進行が遅く,熱帯地域では速い分解生成物がただちに植物に吸収されて,土壌への浸透が少なく,風化は極端に進行しきっているためであると考えられる。 (2)山口県徳山地区で大気降下物採取器により,降下物をエアロゾルによるものと降水にともなうものに分別して測定した結果,NO^-_3,SO^<2->_4など酸性雨の主成分は,乾性形態をとっていることが確認された。 (3)山陰地区で隣接する集水域の渓流水質について調査した結果,成長の盛んな若齢林分では,成熟林分の渓流水より,養分物質濃度が低いことわかった。 (4)中国地方の数種類の森林土壌における重水,重窒素による土壌水の浸透速度を比較した。土壌母材と土壌構造により浸透速度は大きく変動した。 (5)土壌水,渓流水についての窒素自然同位対比測定の結果,多雨期の脱窒が渓流水の窒素濃度に大きい影響を及ぼしていることが判明した。
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