研究課題/領域番号 |
05304022
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 雅保 京都大学, 農学部, 助教授 (10243073)
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研究分担者 |
酒井 裕 農学部, 助教授 (60089117)
入谷 明 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80026385)
山野 好章 鳥取大学, 農学部, 助教授 (00182593)
若杉 昇 名古屋大学, 農学部, 教授 (00023490)
山村 研一 熊本大学, 医学部, 教授 (90115197)
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キーワード | 遺伝子導入 / ミニチュア家畜 / 成長ホルモンアンチセンス遺伝子 / 臓器特異的発現 / ヤギ体外受精胚 / ニワトリIGF-1遺伝子 |
研究概要 |
本研究では、成長ホルモン(GH)アンチセンス遺伝子あるいは矮性化遺伝子に胚に導入することによってミニチュア動物を作製し、GH欠損による下垂体前葉形成に及ぼす影響及びGHの生理作用機構について明らかにする。 これまでに、甲状腺ホルモン感受性領域(TRE)のパリンローム配列をタンデムに4コピー連結したラットGHプロモーターにラットGHアンチセンス遺伝子を連結した遺伝子をラット前核期胚に導入した結果、矮性化ラットが作製された。しかし、導入遺伝子の発現部位について検定したところ下垂体のみならず脾臓など種々の臓器で発現していることが明かとなった。そこで、下垂体に特異的な発現の誘導を目的として、TRE配列を除いたラットGHアンチセンス遺伝子を用いてトランスジェニックラットを作製した。その結果、導入遺伝子の発現がTREを結合した遺伝子と同程度に起きているにもかかわらず、矮性化は全く観察されなかった。しかも、その遺伝子の発現部位は、下垂体以外にも多くの臓器で認められた。 さらに、TRE配列を4コピー連結したヤギGHプロモーターにヤギGH遺伝子をアンチセンス方向に連結した遺伝子をヤギ体外受精前核期卵子に導入することによる矮性化ヤギの作製を試みた。しかし、卵巣卵胞から採取された卵子を体外受精した結果、受精率が非常に低率であることから、遺伝子導入まで至らなかった。 導入遺伝子の臓器特異的発現調節機構についてヒトトランスサイレチン遺伝子を用いて検討した結果、その遺伝子の上流0.6kb内に肝臓特異的に発現させるエレメントと胎生期における時期特異的発現させるエレメントが存在すること、しかし、脳における発現の特異性に規定するエレメント、生後の肝臓における時期特異的発現および発現量を規定するエレメントは上流6kb内に含まれることが明かとなった。
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