研究分担者 |
間野 忠明 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30023659)
永坂 鉄夫 金沢大学, 医学部, 教授 (80023646)
佐藤 昭夫 東京都老人総合研究所, 副所長兼部長 (60072980)
彼末 一之 大阪大学, 医学部, 教授 (50127213)
小野 武年 富山医科薬科大医学部, 医学部, 教授 (50019577)
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研究概要 |
1.高位自律中枢の左右性:脳血管障害における温熱性・精神性発汗活動の左右差について検討した(渡邉ら).脳血管障害患者の起立負荷時,左半球傷害群で血圧低下が著しく,心拍数増加が小さいことを認めた(高橋ら).急性期脳卒中でCheyne-Stokes呼吸の発現,手掌の皮膚電気活動の振幅の低下度が右大脳障害で著しくことを認めた(片山ら).ラットで脳虚血一側脳加温により海馬体神経細胞壊死の程度に左右差は生じた(小野ら).2.自律神経遠心路の左右性:視床下部・脳幹の体温調節機能との関連を調べ,ラットの唾液分泌の偏側性促進,ふるえの両側性抑制,皮膚血管運動の両側性支配を観察した(彼末ら).発汗促進性遠心路は大部分同側を,一部は交叉して下行し,顔面では発汗の同側支配が強いことを観察した(斎藤・糸山ら).頚髄損傷で皮膚交感神経活動の左右差が下肢より上肢で著明なこと,片側交感神経節切除後に両側に同期した筋交感神経活動を認め,脊髄内外に交叉神経の存在を示唆した(野間ら).3.自律神経反射における左右連関:皮膚刺激による交感神経性循環反射に脊髄上性と脊髄性とがあり,後者のみに偏側性を認めた(佐藤ら).皮膚圧が皮膚血流に対し発汗と同様,脊髄分節を介する反射的効果を同側性に及ぼすこと,頭位変化,皮膚圧,星状神経節ブロックによる一側性鼻腔閉鎖が同様の機序でないことを示した(小川ら).前庭温度刺激による頚骨神経内筋交感神経活動の賦活化に左右差傾向を認めた(間野ら).4.自律諸機能の左右連関:脳血流と脳温・鼓膜温の密接な関係及びその左右差を観察した(永坂ら;小川ら).末梢神経血流に関わる3種の同側性神経支配を認め,皮膚刺激がCGRP作動性神経を介する軸索反射により神経血流を増加させうることを示した(佐藤ら).瞳孔支配の副交感・交感神経の同時障害では,明所と暗所で瞳孔左右不同の状態が異なることを観察した(斎藤・糸山ら).
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