研究課題/領域番号 |
05304032
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
矢崎 義雄 東京大学, 医学部(病), 教授 (20101090)
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研究分担者 |
篠山 重威 京都大学, 医学部(病), 教授 (70109007)
木村 彰方 九州大学, 生医研, 助教授 (60161551)
平岡 昌和 東京医科歯科大学, 難治研, 教授 (80014281)
松原 弘明 関西医科大学, 医学部(病), 助手 (10239072)
川口 秀明 北海道大学, 医学部(病), 講師 (70161297)
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キーワード | 心筋細胞 / 遺伝子発現 / 心不全 / 心筋症 / BNP / カリウムチャンネル / アンギオテンシン / ミトコンドリア |
研究概要 |
本年度は、心筋特異的に発現する遺伝子とその制御機構について解析し、心肥大や心不全などの病態形成の原因となる遺伝要因について検討を行なった。心筋特異的に発現するホメオボックスCsxのcDNAと遺伝子がマウスおよびヒトで単離された。Csxは心筋特異的な遺伝子転写機構の解明だけでなく、不全心筋に対する遺伝子治療の重要な手掛かりを与えるものである。胎児心筋や不全心で発現するナトリウム利尿ペプチドBNPは、心負荷刺激に対し極めて迅速にその遺伝子発現が亢進する。BNPmRNAは3'非翻訳領域のATTTA反復配列によりANPに比べその半減期は著しく短く、emergency hormoneとして機能すると考えられた。筋小胞体Caポンプとその調節蛋白質ホスホランバン(PLN)の発現は甲状腺ホルモンによって制御される。Caポンプと変異PLNの同時発現により、相互作用部位をPLNドメインIaに同定し、変異Ca遊離チャンネルの検討により615Argの活性調節を示した。心臓肥大の線維化に関してはアンジオテンシンII(AII)が心筋線維芽細胞のコラーゲン合成を促進させる。高血圧自然発症ラット(SHR)では、心筋、線維芽細胞におけるアンジオテンシノーゲン(ATN)、renin、ACEの各mRNA発現量はすべて亢進しており、高血圧性肥大心における心筋の腺維化にAIIが重要な役割を果たしていることが示唆された。 その他、肥大心での心筋電位存在性K^+チャンネルmRNAの減少、アシドーシスにおける機能抑制が明らかにされた。心筋細胞障害におけるスーパーオキサイドやIL-6の関与についても明らかになった。 肥大型心筋症では心筋βミオシン連鎖遺伝子の構造解析を行い、172名の患者中20名に13種のミスセンス変異を見いだした。一方、本症多発家系の解析から、少なくとも25%は心筋ミオシン変異に起因しないことを明らかにした。また心伝導障害にも関与するミトコンドリアDNA欠失症例が報告された。さらに拡張型心筋症の病因にHLA遺伝子群、またはHLA遺伝子と連鎖不平衡にある近傍の遺伝子が関与している可能性が示唆された。
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