研究課題/領域番号 |
05304033
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
多田 道彦 大阪大学, 医学部, 教授 (90093434)
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研究分担者 |
遠藤 政夫 山形大学, 医学部, 教授 (40004668)
月田 承一郎 京都大学, 医学部, 教授 (50155347)
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
堀 正二 大阪大学, 医学部, 助手 (20124779)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学部, 助教授 (80150340)
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キーワード | カルシウムシグナリング / 心筋細胞障害 / 病態生理学 / ホスホランバン / カルシウムポンプ / アラキドン酸 / カルシウム遊離チャネル |
研究概要 |
本研究は心筋細胞障害をカルシウムシグナリングから検討することを目的とする。単離心筋細胞において甲状腺ホルモンのホスホランバン、カルシウムポンプの発現に対する効果を検討した。甲状腺ホルモンによりホスホランバンmRNAは24時間で対照の半分に低下した。一方、カルシウムポンプmRNAは時間とともに増加した。細胞よりミクロゾームを単離し、カルシウム取り込みを解析したところ、甲状腺ホルモンにより最大活性の増加、カルシウムに対する親和性の増加を認めた。従ってホスホランバンによるカルシウムポンプ活性調節は従来から知られていた燐酸化を介するものとは別に、遺伝子発現を介する新しいメカニズムが存在することがあきらかになった。このことが甲状腺機能亢進症における心筋機能亢進の1つの機構と考えられる。 ホスホランバンcDNAに部位特異的変異を導入し、カルシウムポンプcDNAと同時にCOS-1細胞に導入し発現させることにより、ホスホランバンのカルシウムポンプに対する作用部位を同定した。即ち細胞質ドメインのうちN末に存在するドメインIaカルシウムポンプと相互作用を営むことを明らかにした。 虚血再灌流時のラジカルによる心筋障害を検討するため、リポキシゲナーゼとアラキドン酸を単離心筋細胞に負荷し、細胞内カルシウムをIndo-1蛍光で評価した。細胞内カルシウムは上昇し心筋細胞は過収縮に陥った。 カルシウム遊離チャネルにアミノ酸変異を導入することによりその構造機能連関を検討し615番目のアミノ酸が活性調節に重要な役割を果たしていることが明らかになった。
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