研究課題/領域番号 |
05304036
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
蔵本 淳 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50034070)
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研究分担者 |
斉藤 英彦 名古屋大学, 医学部, 教授 (20153819)
大熊 稔 京都大学, 医学部, 教授 (50026986)
岩永 貞昭 九州大学, 理学部, 教授 (90029942)
千谷 晃一 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (60179942)
鈴木 宏治 三重大学, 医学部, 教授 (70077808)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1994
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キーワード | 血栓制御因子 / 遺伝子診断 / 遺伝子治療 / 血小板膜レセプター / 外因系凝固機構 / アポリポプロテイン(a)遺伝子 / NF-KB / アンチセンスオリゴマー導入療法 |
研究概要 |
血栓制御因子系、凝固因子及びアポ蛋白系、血小板膜レセプター系、血管内皮細胞系の分野についての研究結果は以下のごとくである。 1.先天性血栓制御因子異常症のうち血栓症を繰り返すProtein C,Protein S,α2-plasmin inhibitor(α-PI)異常症或いは低下症について、又血小板機能異常症については、GP I b/IX-Vの低下による粘着能障害を示すBernard-Soulier症候群(BSS)、Thromboxan A2レセプター異常症により出血傾向を起こす症例について遺伝子解析が行われた。その結果これら蛋白やレセプターの機能異常部位や或は分泌異常やレセプター蛋白発現低下の機序が明らかとなった。またフィブリノーゲンレセプター(GP IIb/IIIa)の特異的機能ドメインが組み替え技術を用いて明らかにされた。これらの研究成果は遺伝子治療に対するターゲットをより明確にし、また機能性の高い遺伝子組み替え蛋白を作成することを可能ならしめるとともに、抗血栓薬の開発に貢献する。 2.凝固因子VIIと組織因子(TF)との間の親和性に関係したドメインの研究が行われ、外因系凝固機構が明らかにされた。今後これらの機能異常の解析に有用である。血栓症と関連するアポリポプロテイン(a)遺伝子の転写調節機構が明らかにされつつあり、血栓症の発症予防の可能性が期待される。 3.エンドトキシン、トロンビン、TNFなどにより血管内皮細胞より分泌される炎症性サイトカインやトロンビンによる血管平滑筋細胞増殖は動脈硬化や血栓症を考える上で重要である。これら炎症性サイトカイン分泌や血管平滑筋細胞増殖は転写因子NF-KBによって誘導されることを明らかにした。しかし、アンチセンスNF-KBオリゴマーを内皮細胞に導入するとこれら一連の反応が抑制された。従って本方法は動脈硬化症や血栓症、DICの進展防止治療に有効な治療である事を示したものである。
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