研究課題/領域番号 |
05304052
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研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
有賀 祐勝 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10017022)
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研究分担者 |
高井 康雄 東京農業大学, 農学部, 教授 (40011796)
坂本 充 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (30022536)
山口 征矢 埼玉大学, 教養部, 教授 (70114220)
小倉 紀雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (30015127)
大槻 晃 東京水産大学, 水産学部, 教授 (30101041)
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キーワード | 河口域 / 沿岸ヨシ帯 / 湿原 / 泥炭湿地林 / 付着微細藻類 / 栄養塩濃度 / 表層酸性化作用 / 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS) |
研究概要 |
1.東京湾へのCOD流入負荷量の約15%を占める隅田川河口域において直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)などの成分の流下に伴う変動を観測した。LAS濃度は1〜10μg/lであり、流下に伴い選択的に除去され、非保存的に挙動することが明らかにされた。 2.東京湾の河口干潟において最大満潮線から沖合に向って25〜30m間隔でコドラートを設け、底質の分析と付着微細藻類の現存量測定を行った。その結果、底質の粒度は岸に近いほど細砂で沖合になるほど粒径は大きくなったが、有機物含量は0.7〜1.0%の範囲にあり比較的均質であった。付着微細藻類の現存量はクロロフィルa量として1.5-4.2μg/cm2あり、沖に向ってやや増加の傾向があったものの広範囲ににわたり比較的均一であった。また付着微細藻類の光合成活性を測定した。 3.沿岸ヨシ帯の非成長期における栄養塩濃度の変動の及ぼす影響を知るため、涸沼流出付近においてアクリル製円柱を用いてヨシ1-3株を囲い、その中に栄養塩濃度と付着珪藻の生物量をクロロフィルaとして測定した。その結果、ヨシの付着生物がその変動に大きく関っていることが推定された。 4.釧路湿原で湿原からのメタンと亜酸化窒素のフラックスに及ぼす環境の影響を調査した。人為的な湿原変化のある場所と無い場所の間にガスフラックスの有意な差異は見られなかった。 5.東南アジアに広く分布する沿岸域泥炭湿地林の開発地における表層酸性化作用を除去するために、表層の石灰中和及び下層のパイライトの直上に石灰礫を敷くことにより強酸性化を抑制し、その土壌の作物生産力を持続させる試験を実施中である。
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