研究課題
(1)平成5年度は本総合研究の初年度にあたり、「擾乱媒質中の波動伝播と補償光学」と題する研究会を開催した。海外からの参加者も含め、総計100余名の出席者を得て、3日間に渡り熱心な研究発表と検討が行われたこの研究会は、これまで互いに接触の無かった本研究課題の関連分野の研究者が、互いの研究成果を披露し、本研究課題の問題点の整理と研究の方向付けを行う上で貴重な場となった。研究会の発表内容は集録に取りまとめたが、多くの参加者からこの研究会が極めて有意義であるとの表明があり、今後の継続の要望が強く出された。(2)すでに研究代表者らが試作を終えたイメージスタビライザーやドームシーイングモニターをもとに、実用レベルの装置の製作・既存装置の改良を行った。(3)マウナケア山頂のフランス・カナダ・ハワイ天文台が1991年に取得した温度等の気象データを解析して、夜間の気温予測モデルを構築した。(4)補償光学システムの構築に必要な、高感度波面測定装置の開発研究の一環として特別仕様のシリコンアバランシェホトダイオード(APD)を試作し、アクティブクェンチング方式による光子検出回路を試作した。(5)光干渉計の実現に向けて、2重星を用いた開口マスキング法による光干渉実験を行い、観測データを解析して、干渉縞の測定法を確立した。(6)高出力レーザービームの波面測定法として、シャックハルトマン法を用いた測定装置を開発した。
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