研究課題
当初予定していた「サービス業基本調査」の解析は、文化庁が行政上の目的で直接集計を行うこととなったので、本研究としてはその集計結果がでてから分析を行うことにした。その代わりに、平成2年度に別の科学研究費補助金による研究において研究代表者らが行ったわが国の舞台芸術施設についての調査データをさらに見直し、その後の新しいデータを追加して、わが国の劇場・ホールの施設と運営に関する基礎的データを整備した。東京・水戸・大阪・兵庫・沖縄の施設や地域をモデルとして選定し、これらにおける芸術活動のすすめ方や国・地方自治体の関わり方の実態を調査した。アートマネージメントの日米比較については、UCLAらの文化政策研究グループと情報交換を行った。11月には、調査のために来日した米国研究者とも直接討議を行ったが、このため、日本側は、わが国のアートマネージメント全般に関する現状の概観をまとめたドラフトペーパーを作成した。この結果、劇場・ホールなどの舞台芸術施設と劇団などの活動組織との関係や、芸術活動のための資金援助の仕組みに、日米で大きな相違があることが明らかとなった。