研究概要 |
平成5年度 研究の第1次年度にあたる平成5年度は、事例調査により問題の構造を明らかにするとともに6年度に行う統計的実態調査の準備を行った。具体的には,現在高齢者の社会的特性および教育関連の高齢者対象事業を明らかにし,さらに次の作業を行った。第1に、研究課題に関する文献調査と資料収集を国内および海外において行い,問題の構造を明らかにするための研究会を重ね全体委員会を3度行い研究全体の方向づけを決定した。第2に、ボランティア活動や学校開放事業、高齢者大学、人材バンク、世代間交流事業など国内において高齢化社会に応じた生涯学習事業の実践を行っている代表的な地域それぞれ4ヶ所に訪問調査を行い、資料を収集するとともに、各事例の検討を行った。第3に,高齢者関連の教育プログラムを有する他省庁・他部局および民間企業への訪問事例調査として,すでに文部省の資料を収集し,以後他省庁の資料や関連企業の資料を収集した。第4に,以上の調査と平行して,専門家からの聞き取り調査を年度内に6度行った。 平成6年度 第2次年度にあたる平成6年度には、各市町村の教育委員会及び首長部局を対象とした高齢化社会における生涯学習事業の実態に関する質問紙調査の実施と諸外国における高齢者事業に関する研究を主として行った。首長部局を対象とした質問紙調査では、平成5年度にほとんどの市町村で行われたゴールドプラン(高齢者保健福祉計画)の策定により、各市町村における高齢者教育の実態がある程度把握できることとなった。また、諸外国における高齢者事業に関する研究については、専門家からの聞き取り調査を行い、これを理論編に収録した。さらに、平成5年度の研究成果については、6年度に中間報告書をまとめた。 平成7年度 最終年度の研究活動では,高齢化社会に対応した生涯学習に関する企業を対象としたアンケート調査を行うことを当初の目的としていた。しかし、企業における高齢者対象の事業は、ほとんどが退職準備プログラムとして実施されているものであり、そのプログラムの提供は、高齢者を対象とした公益法人団体が行っていることが多い。そこで、本研究においては、研究の効率性という点から、これら公益法人団体で行われている事業を対象とした調査を行った。 さらに、平成5年度から6年度にかけて行った市町村調査,教育委員会調査,海外文献調査,および平成7年度の公益法人調査の分析と問題点の検討を行い,具体的な高齢化社会に対応した生涯学習プログラムの事例を検討するために、総括討論会を行い、最後にこれをまとめることとした。以上の成果に基づいて、最後に本報告書の作成を行った。
|