研究課題
本研究は、医薬の創製に不可欠な関連基礎学問、研究を動員体系化し、効率の良い分子設計理論の構築をはかり、画期的医薬の創製に資する基盤的研究体制の構築を目指したものである。そのため医薬創製への強い意識を持ちつつ、関連諸分野で優れた基礎研究を推進している。合成化学、分子設計学、天然物化学、生化学、薬理学、毒性学、生物有機化学、代謝化学などの研究者を班員としているが、相互の知見を交換する機会として平成5年11月と平成6年2月に全体班会議を開催した。全体班会議においては最も確度の高い創薬理論構築の可能性を秘めている「受容体」を介する薬物(リガンド)の探索・設計・評価につき主に化学的側面から研究することに焦点を絞り、重点領域研究へ進展させる方針が決定した。また全体班会議の後には公開シンポジウムも開催され数名の班員による講演が行なわれた。シンポジウムには企業などからの参加者もあり、活発な討論が展開され、画期的新薬の創製が社会的要望であることも再確認された。なお平成6年2月の公開シンポジウムは関連する薬理系総合研究班および日本学術会議4研連との合同主催で行なった。さらに主要班員により研究の具体的内容が討議され、「受容体リガンドの探索・設計・評価」として平成7年度重点領域研究に申請した。本研究内容は1990年日本学術会議より提出された「創薬基礎化学研究の推進について」の勧告にも沿ったものであり、画期的新薬のリード化合物創出をめざす。