研究課題
本研究の目的は、日本の古代都城遺跡に関する図面データを解析図化機を用いてデジタルマップ化し、その変遷・地域差等を比較検討するとともに、コンピュータ・グラフィックスによって地形や建物の復原を行い、古代律令制下における土木建設に関する計画手法を解明することである。この目的を達するためには、データを目的に応じて適切に加工・編集するシステムが不可欠となる。昨年度は、解析図化機を用いて読みとった遺構図のデジタル情報を汎用のワークステーションに移行させてデータの編集・加工するプログラムの骨格を作成したが、今年度は、昨年度の成果を補完するかたちで、データ軽量化機能の充実(間引き処理の改善とUNDO機能の追加)属性別・時期別の線表示法・色分け表示の追加などの機能増強をはかった。さらに、MTからAV310Cへのデータ読み込み→遺構図加工・編集→地形格子作成→ラプラス(地形造成支援システム)→AV310Cからプロッターへの出力までの一連の機能が稼働する環境を整備した。このシステムの完成により本研究の所期の目的を達成する基盤が整ったわけであり、今後のシステムで加工・編集した、属性別及び時期別の遺構図または模式図、等高線図、鳥瞰図などを用いて、古代都城の土木建設計画手法の解明を進めていく計画である。