研究課題
本年度も、初年次〜3年次に引き続いて、日本全国各地の公立図書館に所蔵される日本文学関係資料の所在を調査して、(1)調査台帳の継続的作成、(2)目録の収集、(3)情報の交換、(4)正式の調査と撮影の許可交渉、(5)具体的な個々の図書館における書誌調査、などの作業を行なった。本研究は年度毎に重点調査地区を決めて行う計画の下に、本年度は主に関東地区を中心に調査を実施し、各図書館における蔵書資料の実態や伝来、質量や傾向などの概要を掌握することに努めたが、併せて、前年度までの計画で遂行し得なかった地域や箇所をも補填的に調査し、また、緊急に調査すべき図書館についても優先的に調査を実施した。本年度は本計画の最終年度に当たるので、前年度までに調査を実施し得た地域や図書館に関する調査記録をまとめ、近い将来の研究成果の刊行に向けて、総括的な整備を行った。その結果、(1)各(都道)府県毎に、県下の日本文学関係資料を一括把握している県と、そうでない県との区別がかなり目立つこと、(2)教育委員会をはじめ、既に調査の進んでいる文庫・図書館については、関与しにくい状況があること、などが具体的障害点として残ることになった。これらの障害を克服することが、今後の課題の一つになるが、本研究の要旨を徹底することで、書目毎の日本文学資料の一覧たる『国書総目録』に対して、文庫・図書館毎の「和古書総目録」とも称すべき業績も可能になるとの見通しが立った。
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