研究課題/領域番号 |
05401019
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
和田 守 大東文化大学, 法学部, 教授 (80007236)
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研究分担者 |
加藤 普章 大東文化大学, 法学部, 教授 (90194844)
黒柳 米司 大東文化大学, 法学部, 教授 (00186553)
土岐 寛 大東文化大学, 法学部, 教授 (40245965)
安 世舟 大東文化大学, 法学部, 教授 (70054806)
田中 浩 大東文化大学, 法学部, 教授 (20015358)
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研究期間 (年度) |
1993 – 1995
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キーワード | リベラリズム / 『ネーション』 / 社会民主主義 / アジア・ナショナリズム / 地方自治 / 長谷川如是閑 / 馬場恒吾 |
研究概要 |
1.本研究の目的は戦中戦後におけるリベラリズムの継承発展につき、国際比較、柔構造、国民的基盤の3点から、その種々相を検証することにあった。このうち国際比較については、加藤普章がアメリカのリベラリズムを代表する雑誌『ネーション』を取り上げ、日本ならびに中国を中心にアジア観の変遷と特色を分析した。また田中浩はリベラリズムとナショナリズムの相関対抗関係を基軸に欧米と日本のデモクラシーの比較研究を行い、安世舟はファシズムや独裁制理論に対決したドイツの自由主義者H・ヘラ-の社会的法治国家理論を取り上げ、その発展途上国の政治発展モデルへの有効性を検討した。中国ならびにASEAN諸国を担当した黒柳米司はアジア・ナショナリズムの歴史的展開と現状についての研究を行なった。 2.リベラリズムな思想的柔軟性について、田中浩が長谷川如是閑、和田守が馬場恒吾を取り上げるなど、マルクス主義への弾圧のあと、強圧的な言論統制のもとで直截な対決は避けつつ、いわば変化球をもって執拗かつ柔軟にファシズムに抵抗した種々相と戦後民主化での役割を検証し、加藤哲郎は市民的抵抗の再評価の一環として新明正道や国崎定洞らを取り上げ、戦中戦後における統一戦線理論の検証を行なった。 3.国民的基盤の問題について、和田守は静岡県掛川地域を事例研究として取り上げ、戦中戦後における地域社会の変容過程を検証し、住民の生活レベルにおけるリベラリズムの受容形態を検討した。そのなかで民衆の集団的学習活動についても分析を進めた。また土岐寛は地方制度の変遷、とくに大都市東京を取り上げ、例えば戦中戦後東京の都市計画行政の主導的地位にあった石川栄燿の東京回生プランを分析するなど住民の生活基盤確立におけるリベラルな発想を検証した。 4.今後とも補充研究を進めたうえで刊本としてまとめる予定である。
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