研究課題
戦前から戦後にかけての日本の経済発展の経験を振り返り、現在における社会経済開発の成果と比較する形で研究を行った。特に、大正期から今日に至るまでの日本の農村の経済構造と農家の経営実態、農村・都市間の所得格差、農村・都市における所得分布の動態などを吟味し、現代デモクラシーの農村経済的基盤と限界を明らかにした。研究はメンバー各位が担当のテーマを独自に研究を進めると同時に、メンバー以外の研究者も交えて定期的に研究会を開き、相互の理解を深めた。特に、今年度は昨年度に引き続き、2月18日に一橋大学経済研究所において外部の研究者を交えた大規模なワークショップを実施した。このワークショップでは、大きく分けて、(1)戦間期の地方財政、(2)都市化と農村、(3)戦前の農村における人口問題、の3つのテーマが取り上げられ、いずれも活発な議論が展開されて大きな成果が得られた。来年度以降も、これらの研究成果をもとにさらに研究を押し進め、日本の経済民主化が農村経済の変革を通じて全経済に与えた社会経済的意義を考察すると同時に、それを土台として、平成期における低開発諸国経済の実状を探り、現代デモクラシーの成立に必要な農村経済的基盤を明らかにしていくつもりである。
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