研究課題/領域番号 |
05401020
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
南 亮進 一橋大学, 経済研究所, 教授 (80017657)
|
研究分担者 |
松田 芳郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (30002976)
斎藤 修 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40051867)
寺西 重郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (70017664)
清川 雪彦 一橋大学, 経済研究所, 教授 (60017663)
尾高 煌之助 一橋大学, 経済研究所, 教授 (90017658)
|
キーワード | 農村経済 / デモクラシー / 日本の経済発展 / 所得分布 |
研究概要 |
昨年度にひき続き、戦前から戦後にかけての日本の経済発展の経験をふりかえり、現代における社会経済開発の成果と比較対照する作業を継続した。「開発主義」が全世界を覆うに至っても、デモクラシー成立の経済的・社会的条件は満たされておらず、開発のメカニズムもまだ十分に明かではない。このような状況の中でわれわれは、大正デモクラシーの農村経済的基盤と限界、戦間期から戦中期の農村経済の変貌と第二次大戦直後の民主改革、戦後日本の経済民主化が農村経済の変革を通じて国民経済に与えた社会経済的意義、日本の経験の吟味を土台に平成期における低開発諸国の実情を探り、現代デモクラシーの農村経済的基礎を明らかにすることに努めた。具体的には、所得分布の時系列的変動、産業別就業状態の変化と労働力構成の変化、農業生産力の動態と余剰の変遷分析、農村協同組合ならびに戦時諸制度の経済効果、復員労働力の配置ならびに経済効果などについて、研究を進め相互の理解を深めた。研究代表者の南亮進はその成果を『日本の経済発展と所得分布』として上梓し、また1月26〜28日には大規模な国際ワークショップを組織し、ドイツ、イタリアとの比較、ASEAN諸国への含意などについてきわめて活発な議論が展開され大きな成果を得た。またメンバーの清川雪彦は『日本の経済発展と技術普及』を上梓し諸学会から高い評価を得た。これらの成果を踏まえて来年度もさらに研究を発展させ、その成果を公刊すべく準備を進めている。
|